1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680197
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松倉 公憲 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (80107341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂村 継夫 筑波大学, 地球科学系, 教授 (00011164)
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Keywords | 崖錐 / 斜面プロセス / 安息角 / 崩れ / 内部摩擦角 |
Research Abstract |
本研究は,野外調査と室内実験の両面から,崖錐斜面物質である砂礫の安息角と内部摩擦角との計測を行ない,両者の関係を明確にすることにより,崖錐の勾配が何によって決っているかを明らかにすることを目的としている。 当初の計画では,砕石場のストックパイルを用いて,安息角の計測を行なうつもりであったが,砕石場では上方からの砕石供給量が多いため常に崩れの発生する状況となり,本研究が狙っているようなデ-タが得難いことがわかった。また,砕石のような三次元の形状をもつ材料では,崩れの観察が困難なため,よりシンプルな形状をもつ材料による実験が必要なことも判った。そこで,本年度は,まず小型のティルティングボックスの実験装置を作成した。そしてアルミニウムの丸棒(長さ50mm)を積重ねた二次元的な斜面を用いた安息角実験を行なった。デ-タの集積とデ-タの解析を進めているところであるが,現在までのところでは,崩れの発生する角度(すなわち安息角)は,斜面構成材料のせん断(すなわちすべり摩擦)によるものではなく,回転(すなわちころがり摩擦)によるものではないかという結果が得られつつある。 アルミ丸棒を用いた安息角実験によって得られた結果は,従来の見解と全く異なるものであり,もしこの見解が,これから行なう実験により,砂礫などの三次元材料から構成される崖錐斜面に対してもあてはまるとすれば,極めて興味深いものとなろう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Onda,Y.and Matsukura,Y.: "Is the maximum stable angle of slope of granular assemblies comparable to the angle of shearing resistance?" Transactions of the Japanese Geomorphological Union(地形). 12. (1991)
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[Publications] 松倉 公憲: "崖錐斜面の勾配と斜面構成物質の安息角およびせん断抵抗角との関係について" TAGS. 3. (1991)