1990 Fiscal Year Annual Research Report
タバコモザイクウイルスの増殖に関わる宿主因子の検策
Project/Area Number |
02680206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 正幸 東京大学, 理学部, 教授 (40114706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 哲 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20164105)
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Keywords | タバコモザイクウイルス / 30kタンパク / アラビドプシス / ウイルス低抗性 / プロトプラスト感染 |
Research Abstract |
1.30Kタンパクと相互作用する宿主因子を抗30kタンパク抗体を用いて検索した。30kタンパク遺伝子をT7 RNAポリメラ-ゼを利用した発現ベクタ-に導入し、大腸菌内で発現させた。このタンパクをウサギに免疫し、30kタンパクに特異的に反応する抗体を得た。抗体は、さらに30kタンパクに対する親和性により精製し、以後の実験に用いた。TMVをタバコのプロトプラストに感染させ、適当な時間アイソト-プでラベルした後、抽出物を抗30kタンパン抗体で免疫沈降し、30kタンパクと共沈する宿主の因子がないか調べたが、特に見いだせなかった。 2.TMVに低抗性を示すアラビドプシスの変異株の単離を試みた。アラビドプシスの種をEMSで処理して得た約6000の変異株にTMVを接種し、TMVが増殖できるかを、上葉の抽出液中に含まれるTMV抗原の量によって調べた。現在、TMVの増殖が野性株のアラビドプシスに比べて1/10以下になっている変異株が1株得られている。この、変異がTMVの増殖に直接関わっている宿主因子の変異であるか検討している。また、この低抗性が個々の細胞レベルで有効かどうかを知るため、アラビドプシスのプロトプラストの調製法及びそのプロトプラストへのTMVの感染系を確立した。 3.宿主の因子との親和性が変化したと思われるTMVの変異株を人為的に作製した。3'の非翻訳領域に種々の欠損を導入し、得られた変異株の植物に対する反応を調べたところ、病気を引き起こさず増殖するものが得られた。また、コ-トタンパクの変異株の中に、野性型TMVの感染では観察されぬような、一種の宿主の低抗性反応を誘導する変異株が得られた。3'非翻訳領域あるいは変異コ-トタンパクをプロ-ブとして宿主の因子が探索可能と思われる。
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[Publications] Hughes,David A.: "Homologous activators of ras in fission and budding yeast." Nature. 344. 355-357 (1990)
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[Publications] Miyake,Sanae: "Identification of rasーrelated,YPT family genes in Schizosaccharomyces pombe." EMBO Journal. 9. 1417-1422 (1990)
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[Publications] Maeda,Tatsuya: "Adenylyl cyclase is dispensable for vegetative cell growth in the fission yeast Schizosaccharomyces pombe." Proc.Natl.Acad.Sci.USA.87. 7814-7818 (1990)
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[Publications] Iino,Yuichi: "S.pombe pacl^+,whose overexpression inhibits sexual development,encodes a ribonuclease IIIーlike RNase." EMBO Journal. 10. 221-226 (1991)