1990 Fiscal Year Annual Research Report
肝ミクロソ-ム電子伝達系に関与するフラビン還元酵素の結晶学的研究
Project/Area Number |
02680219
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三木 邦夫 大阪大学, 工学部, 助手 (10116105)
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Keywords | X線結晶解析 / 立体構造 / 電子伝達 / フラビン |
Research Abstract |
肝ミクロソ-ムにおけるNADHおよびNADPHを電子供与対とする2つの電子伝達経路ではたらく2種のフラビン還元酵素(NADHーシトクロムb_5還元酵素およびNADPHーシトクロムP450還元酵素)の立体構造決定を目指して、X線結晶解析を行った。 NADHーシトクロムb_5還元酵素については、すでに結晶が得られていたので、多重同型置換法で電子密度図を得るために、重原子誘導体の検索を行った。2つ必要な重原子誘導体結晶のうち、1つしか良好なものを見つけられなかったので、単一同型置換法で5A^^°分解能での電子密度図を得た。この電子密度図からは分子の境界は明確に決定できたが内部の構造については、分解能が低く位相も不十分なため、情報を得ることができなかった。今後、さらにもう一つの重原子誘導体結晶を検索することが必要である。また、さらに高分解能の回折デ-タを測定することも、今後必要であると考えられる。 NADPHーシトクロムP450還元酵素については、結晶化を行った。このタンパク質に用いることが可能と思われる沈澱剤は3種ほど見つかった。それらを用いて結晶化を行ったが、これまでのところ結晶を得ることができなかった。一つの原因として、タンパク量が十分でないことが考えられるので、このタンパク質の大量精製が今後の課題となる。そのためには、精製法の改良なども考慮に入れる必要があり、すでにいくつかの改良法について検討を加えた。小スケ-ルでの精製実験を現在計画中である。
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