1991 Fiscal Year Annual Research Report
日本語教育におけるコミュニケ-ション能力養成のためのデ-タベ-ス作成と利用の研究
Project/Area Number |
02680227
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀口 純子 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (00052283)
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Keywords | 縮約形 / 日本語教育 / 初級日本語教科書 / 文型中心 / コミュニケ-ション重視 / 日本語学習者 / 方言音声 / 方言桃太郎 |
Research Abstract |
1.初級日本語教科書に見られる縮約形を全部取り出して,デ-タベ-ス化した。それの類型化と数量的分析は現在進行中であるが,これまでに明らかになっているのは次のようなことである。 (1)文型中心の教科書にはほとんど縮約形が見られない。 (2)文型中心の教科書に見られる縮約形は,「〜テイル」の縮約形「〜テル」と「ノ」の縮約形「ン」である。「テル」と「ン」の日本人の使用頻度の高さから考えると,たとえ文型中心であっても日本語の教科書でもこの2つの形は無視することができないということだろう。 (3)コミュニケ-ション重視の教科書では縮約形を積極的に取り上げている。多い教科書では13種類の縮約形を取り上げ,それぞれに説明と練習を付けている。教科書によって差があるのは,「みそはアメリカのピ-ナツバタ-って感じですね」「彼,会社をやめるんだって」「財布はどこに置いたっけ」のような縮約形である。このうち他の形で言い替えができない「会社やめるんだって」のような文末の「ッテ」は,教科書にもっと積極的に取り上げることを考えるべきであろう。 (4)「〜ナクテハ」の縮約形は,「〜ナクチャ」,「〜ナケリャ」,「〜ナキャ」など,教科書によって取り上げる形に違いがあったり,一度に3つの形を出したりしているが,日本人の使用実態から提出順序を考えるべきであろう。 2.日本語学習者の日本語方言音声の聞き取り能力を調査するために,全国16地点で収録された方言の「桃太郎」の書き取りを行い,デ-タベ-ス化した。
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Research Products
(1 results)