1992 Fiscal Year Annual Research Report
人間の成長のための「情報基礎」カリキュラムの開発と評価
Project/Area Number |
02680231
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
篠原 文陽児 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00113035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 捨雄 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90000059)
井上 光洋 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60016491)
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Keywords | 中学校 / カリキュラム開発 / 技術・家庭 / 情報化社会 / 創造性 / 情報科学 / 実態調査 / コンピュータ教育 |
Research Abstract |
本研究は、コンピュータが我々の想像をはるかに超えて進化し、平成5年度から移行措置なしで全面実施される中学校「技術・家庭」の1領域である「情報基礎」のカリキュラムを、狭く「技術・家庭」にのみ限定したり目先のコンピュータの仕組みや機能などの操作を知るのではなく、今後の高度情報化社会の中で「人間が生きる」上で基礎・基本となる「方法論」として、すなわち、人間のもつ「構造化した思考」を育成し促進するため、「論理的に考え、想像し、構造的にしくみを捉え、そして、直感的・創造的に考えられる人間の育成」を図ることを最重要課題とする、情報教育と人間教育の統合体として、「情報基礎」のカリキュラム実践的に開発し評価することであった。 そのため、本研究の最終年度である平成4年度は、(1)情報および情報技術の枠組みの確定として、過去2年間にわたって本研究課題のもとで拡張し、開発してきた「枠組み」を、認知科学と情報工学の両者の観点から改善し、(2)教師及び生徒のための実態調査問題の標準化では、「情報及び情報技術のための実体調査問題」及び「情報リテラシー評価問題(案)」を見直した。さらに、(3)調査と実験的試行および評価と流通の観点から、前年度までの「2進法」「思考とプログラム」をさらに実践し改良するとともに、新たに、第3の単元「ソフトウェアの活用」として、通信とデータベースに関する指導事例を開発した。また、こうした一連の研究を通じて、「情報基礎」カリキュラムは、(1)プログラミング中心カリキュラム、(2)ソフトウェア利用中心カリキュラム、(3)統合型カリキュラムュラム、(4)制御中心カリキュラムの4類型であり、いずれのカリキュラムにおいても、人間の「成長」としての例示を教師が重点的に行う重要性とその例を具体的に示した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 篠原 文陽児: "中学校「情報基礎」の指導内容に関する基礎的研究" 日本科学教育学会研究会研究報告. 7. 51-54 (1992)
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[Publications] 篠原 文陽児: "教師教育におけるハイパーメディア教材の開発と意義" 平成4年度教員養成大学・学部等教官研究集会論文集. 34-35 (1993)
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[Publications] 木村 捨雄: "統計能力・統計情報活用能力の評価における児童の現解特性" 日本科学教育学会年会論文集. 16. B233 (1992)
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[Publications] 木村 捨雄,木戸 敏行: "アルゴリズム的思考に関する研究(1)" 日本教育工学会第8回大会講演論文集. 8. 536 (1992)
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[Publications] 浦野 弘,島貫 陸: "システム科学としての気象のカリキュラム(7)" 日本科学教育学会年会論文集. 16. A124 (1992)
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[Publications] 井上 光洋: "教授行動の選択系列のアセスメントによる授業研究方法の開発(19)" 日本教育工学会第8回大会講演論文集. 8. 276-277 (1992)
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[Publications] CEC編(主査・篠原 文陽児): "使おうよ、パソコン" CEC(コンピュータ教育開発センター), 31 (1992)
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[Publications] 有光成徳(監修): "視聴覚教育メディアの活用" 日本視聴覚教材センター, 333 (1992)