1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680233
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
牟田 博光 東京工業大学, 工学部, 教授 (70090925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前迫 孝憲 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00114893)
矢野 真和 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30016521)
松田 稔樹 東京工業大学, 工学部, 助手 (60173845)
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Keywords | 費用効果分析 / 遠隔教育 / 衛星放送 / テレラーニング / 費用負担 |
Research Abstract |
本研究の目的は衛星放送、コンピュ-タ通信などの新技術を導入することにより、遠隔教育を発展させることの実現可能性を費用と効果の視点から明らかにすることである。 通信教育に加え、電話回線を用いて音声と簡単な画像情報を送るテレラーニングについて費用効果分析を行った。その結果、テレラーニングは伝統的な通信教育の場合と比較して費用がかかるものの、学習者の終了率が高くなることから、終了者あたりの費用は通信教育の場合より安くなることがありうることを明らかにした。 また、大学レベルにおける遠隔教育の代表として、放送大学をとりあげ、新技術を用いて費用効果を高める方法について資料を収集し、予備的な分析を行った。 わが国の放送大学は放送の割合が高いこと、学習センタ-を数多く設置していること、卒業率が低いことなどから、現在では必ずしも費用効果が高いとは言えない。新しい放送・通信技術を導入することによる全国展開の実現可能性についても予期されるほどの費用効果をあげないようである。しかし、これらの費用を負担するのは政府、学習者、学校法人であるが、これら費用負担区分者別にも費用効果を求めれば、また違った政策含意が得られる。政府にとっては費用効果が高い施策であっても、学習者にとっては費用効果が低い場合もある。その逆に、学習者にとっては費用効果が高く、政府にとっては費用効果が低い施策もあるからである。実際の政策にあたっては、社会全体の費用効果と時同に、このような負担区分者別の費用効果の見積が重要となる。放送大学は学習者の視点からは、費用効果が高い教育システムであるといえる。
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