Research Abstract |
1.社会科・生活科の授業記録の実施 小学校2校(学年は1年生、4年生),中学校2校(学年は1年生,2年生),計4校において授業記録をとり,その分析を行った。 ビデオカメラ2台による教師と子どもの活動を映像に撮るとともに6名の記録者によって,様々な観点から授業を記録した。おもな観点は,教師の発問及び教材と子どもの反応との関係,反応を通して現れる教師と子ども,子ども同士のコミュニケ-ション行動の態様,授業における教師の行動の全体像(発問,説明,子どもとの話し合い,助言,評価活動,個別化の行動,机間巡視,板書等々),授業における一人の子どもの行動の全体像などである。 2.授業分析とその結果 授業分析は現在進行中であるが,次のような仮説を得,確認した。 (1)授業におけるコミュニケ-ション行動は,教師・子ども間のそれが圧倒的に多く,子ども同士のそれは極めて少ない。それは,学習形態,教材の提示方法と多くかかわって生ずる現象である。 (2)子どものコミュニケ-ション行動の量や質は,発達により大きな差があるが,上学年になるほど貧弱化する原因は,発達だけに帰することはできない。学級の条件,日常の授業と大きくかかわっている。 (3)子どものコミュニケ-ション行動の発現は,教師への同調・協力〓批判・反発と大きく関係し,教師の態度や発問・助言,個別化の行動を吟味しなければ,その高揚は望めない。 (4)教材の選択、構成、提示方法をコミュニケ-ション行動の質と深くかかわっている。同時にこの点が社会認識の深化にとくに影響する。 3.上記(1)〜(4)のことを立証するため,引き続き仮説実験授業を計画している。「社会認識を深めるよい授業」を探るのが目的である。
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