1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680253
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
白神 澄二 広島大学, 学校教育学部, 教授 (90162768)
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Keywords | 定量的生物実験 / 中学校生物実験 / 呼吸量 / 発芽種子 / 乾燥重量 |
Research Abstract |
本年度は,「温度と呼吸量」に関する実験として,植物の発芽種子を用いた定量的実験の開発と,理科教科書に見られる定量的な生物実験・観察の分析を中心とした研究を行った。 1.「温度と呼吸量」の実験の開発 温度と呼吸量との関係を定量的に測定する実験の開発について,昨年度は実験材料として動物(メダカ)を用いたので,本年度は植物材料として発芽種子を用いる方法について研究を行った。発芽種子の呼吸量の測定方法は,呼吸で消費された酸素量を測定する方法をとった。この方法は,簡単な実験装置で30℃までの呼吸量がほぼ正確に,しかも短時間に測定できるので,中学校理科の実験として有効であることが明らかとなった。また、発芽種子の場合は,実験前に乾燥重量が測定できるので乾燥重量当たりの各温度における呼吸量の測定が可能となり,より精度の高い呼吸量の測定ができることが明らかとなった。 2.理科教科書に見られる定量的な生物実験・観察の調査・分析 生物教育における定量的実験の開発の必要性は,生物実験・観察に定量的なものが少ないことにある。この問題の実態を把握するために,中学校及び高等学校の理科教科書を調査・分析して,生物実験・観察のうちで定量的なものが占める割合を明らかにした。その結果,定量的な見方をする生物実験・観察が占める割合は,極めて少ないが,小学校理科よりも中学校理科のほうがさらに小さいことが,.また,昭和22年版学習指導要領(試案)施行期や昭和44年度学習指導要領施行期の時よりも現行の教科書のほうがさらに低いことが明らかとなり,中学校理科の生物に定量的な実験・観察を導入する必要性があることが判明した。
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