1992 Fiscal Year Annual Research Report
技術科教育・機械領域における教材教具の研究 -動く模型の製作学習における指導方法の改善-
Project/Area Number |
02680255
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
末富 正啓 山口大学, 教育学部, 教授 (20034803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 吉永 鳴門教育大学, 学校教育学部・中学校教員養成課程生活・健康系II(技術科)教育講座, 助手 (10204025)
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Keywords | 機構模型の製作 / 思考プリント / 試行作業盤 / イメージ形成 / 創造的思考 |
Research Abstract |
この研究は、思考プリント学習を,試行作業盤学習の基礎学習として位置づけ,もともと別個に行われていたこれら2つの学習の統合を図ることによって短時間で効果的な動く模型の製作学習の指導法の確立をめざして行われた。その目的を達成するために思考プリント学習においては、指導法の工夫で時間短縮の一応の見通しを得た。また,男女共習を授業を実践し女子生徒のこの学習への適応も確かめることができた。また,生徒が作ったしくみについて,基本的なしくみがどのようにしくみの中へ組み込まれているかに着目して5つの類型にわけて分類整理した。そして,しくみの構成上の誤りについて4つの視点から分析し,その原因を分析し,誤り解消への対策にふれた。二次元の場で機構の構成要素を操作し,それらの組合せを工夫することによって欲しい動きを得る。そして,その動きに対応したしくみのイメージを育てるという過程を試行錯誤で繰り返すことで創造的思考が育ってくる。 試行作業盤学習は,生徒が主体的に立体的な機構を学習する方法であり,思考プリント学習の発展学習である。試行作業盤は機構を生徒が仕組み易い,理解のし易いこと等を考慮して開発され、改良されてきた教具である。ここでの生徒の作品は,機構の種類や独創性に富んでおり,分析した結果,その作り方や発展の仕方に6つの類型が認められた。そして,指導上注意すべき点が明らかとなった。この2つの学習を,新しい機械学習の試みとして,統合した新しい方法を確立していくことが急務である。そのための資料として,基礎学習として思考プリント学習を実施したグループと,しなかったグループの作られた作品の評価を比較した結果,実施したグループのほうが,評価が有意に高く,試行作業盤学習における思考プリント学習の効果を確認することができた。
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[Publications] 末富 正啓: "技術科教育に関する研究 -機械学習についての一考察-" 山口大学教育学部研究論叢. 35.3. 89-100 (1985)
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[Publications] 末富 正啓 坪郷 好夫: "動く模型の製作学習における効果的指導法" 日本産業技術教育学会誌. 28.4. 35-47 (1986)
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[Publications] 末富 正啓 岡村 吉永 坪郷 好夫: "機械II・領域における新しい教材の開発 -「知る」学習から「作る」学習へのために-" 日本産業技術教育学会誌. 29.4. 73-81 (1987)
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[Publications] 末富 正啓 坪郷 好夫: "動く模型の製作学習における生徒の思考と授業過程について" 山口大学教育学部研究論叢. 39.3. 179-191 (1990)
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[Publications] 末富 正啓 岡村 吉永 坪郷 好夫: "技術科教育.機械領域における教材教具の研究 -生徒の作る機構模型について-" 山口大学教育学部研究論叢. 41.3. 139-150 (1992)