• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1990 Fiscal Year Annual Research Report

敦煌出土・シャ-ンティデ-ヴァ作『異本・入菩薩行論』の研究

Research Project

Project/Area Number 02801005
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

斎藤 明  三重大学, 人文学部, 助教授 (80170489)

Keywordsシャ-ンティデ-ヴァ / 『入菩薩行論』 / 敦煌本
Research Abstract

今年度は,敦煌出土の異本系『入菩薩行論』の4写本のプリントを入手したうえで,全9章中の白眉ともいえる第8「般若波羅蜜」章と,その前の第7「精進波羅蜜」章の2章の検討を行なった。
研究作業はまず,ほぼ完本として残るスタイン収集本No.628と,全体の6割ほどを残すNo.629の2写本それぞれについて,ロマナイズ版のテキストと訳注を作成した。なおプリントの不鮮明箇所については、マイクロフィルムの所蔵元である東洋文庫に直接赴いて,マイクロ・リ-ダ-によって確認作業を行なった。
次にまた,これと並行して,現行のチベット語大蔵経の中に研究代表者がすでに比定した,異本系の注釈文献『入菩薩行論解説細疏』(北京版No.5274,デルゲ版No.3873)の校訂ならびに訳注作業を果たした。この作業は偈頌の本来のテキストも推定し,さらにまた章全体の文脈を捉えるうえでかなり有用であった。
以上の研究を通して,研究代表者がかつて指摘したように,敦煌本系の異本こそがシャ-ンティデ-ヴァ作の『入菩薩行論』の原形に近く,現行本は後世の改ざんの手が入り,増広されたテキストであることがより鮮明になった。いかなる箇所の偈頌を改変し,新たな偈頌を挿入・付加し,ときに偈頌の前後を入れ替えたりもしたのか。さらにまた,何ゆえにそうした改ざん行為がなされることになったのか等の問題についても,部分的ながら解明することができた。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 斎藤 明: "『中論頌』第1章・第8偈(前半部)の解釈およびチベット語訳文をめぐって" 印度学仏教学研究. 39. 1002-1006 (1991)

URL: 

Published: 1993-08-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi