1992 Fiscal Year Annual Research Report
キャンパスにおける外国人留学生サポートネットワークシステムの形成
Project/Area Number |
02801019
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村山 正治 九州大学, 教育学部, 教授 (80038439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白土 悟 九州大学, 留学生センター, 助教授 (60154374)
高松 里 九州大学, 留学生センター, 講師 (50226916)
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Keywords | エンカウンターグループ / キャンパスカウンセリング / 交流会 / ネットワークシステム / ネットワーカー / ボランティア / 外国人留学生 |
Research Abstract |
3年間にわたる萌芽研究の期間を通じて、ネットワーカーとして、コミユニティオーガナイザーとして、面接室のカウンセラーとして、フィールドワークを行ってきた。その成果として、九州大学の内外に留学生のための多様なサポートネットワークを形成することが出来ている。この生きたネットワークシステムの形成が本研究の最大の成果である。ネットワークシステムは、従来の組識論が集団やシステムを強調するのに比べて、一人一人の人間相互のつながりを中心としたヒューマンネットワークである。外国人留学生、日本人ボランティア、外国人の家族との深層面接調査によって次のような事実があきらかになった。外国人留学生が日本の文化や社会に親しんでいるためには、来日してから半年間が極めて大切なこと、そこでは日本語の訓練だけでなく、日本人、留学生の友人、研究生の仲間、地域住民、ボランティアなどと接触するための対人関係の能力が大きく影響していることである。従って九州大学内外に形成されてきているネットワークは、これらの外国人留学生が日本社会で研究して行くための物心両面の居場所や生活面における援助を堤供するうえで極めて重要な意味を持っているといえよう。われわれは、これらの成果を踏まえて、この生きているサポートネットワークシステムを維持しながら、国際交流の様式、在り方、日本文化との接触の仕方など外国人留学生の生きたプロセスを追究、追跡していくのが今後の課題である。また研究の副産物として見えてきたことは、外国人留学生相談室は医学モデル、即ち不適応者や病人を治すことではなく、援助モデルすなわち外国人留学生の心理・生活の両面にわたって援助していくことの重要性を強調しておきたい。
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[Publications] 高松 里: "留学生カウンセリングの方法と実際" 日本心理臨床学会第10回大会論文集. 292-293 (1991)
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[Publications] 高松 里 白土 悟: "留学生カウンセリングの実際と課題" 九州大学留学生センター紀要. 4. 187-207 (1992)
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[Publications] 松山 正治 高松 里 白土 悟: "在日留学生の対人関係調査" 日本心理臨床学会第12回大会. (1993)