1990 Fiscal Year Annual Research Report
ペスタロッチの学校観・教師観の変容過程の分析的研究
Project/Area Number |
02801037
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
長尾 十三二 中央大学, 文学部, 教授 (90015412)
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Keywords | ペスタロッチ / 学校 / 教師 / ゲルトル-ト / メト-デ |
Research Abstract |
(1)所期の研究目的を達成するため、PCRーENGLISHを活用し、スキャナ-(JXー40,シャ-プ)によってデ-タ・ベ-スの確実な作成を意図したのであるが、PCRーENGLIShによってドイツ語文献を解読させることは、予想以上に困難であった。そのためペスタロッチ全集すべてを対象とする作業は、一時的にもせよ断念し、H・Rothが作成した索引(Provisorischer Registerband)に依存しながら、主要文献から、学校観、教師観の推移を探る方法へ転換せざるをえなかった。 (2)現在までのところ、「リ-ンハルトとゲルトル-ト」の初版、第3部「シュタレツ便り」、「夕暮」についての作業を進めている。なお、これと並行して、筑波大学の福田弘助教授とともに、ペスタロッチの生涯及び思想を概観する著作を準備しており、このなかで今回の研究成果を万能な限り活用したいと考えている。およその仮説としては、当初に指摘した通り、ペスタロッチは、学校教育の現実的な役割を消極的にもせよ認識し、その際とくに教師の専門的力量に注目するようになっていったことが指摘可能であるという立場に変更はない。ただし、民衆教育の場としての学校の有効性の認識が、上層・教養階級にも及びえたかどうかという点については、書翰集の内容分析などを加えて検討しない限り、たやすくは論じられないと考えている。 (3)作業を能率的に進めるためには、かなりのアルバイト費を必要とすることも明らかになってきたので、独力で可能な作業に限定したうえ、さらに本格的なデ-タベ-ス作成についての見通しをたてるところまで、なんとか進めてみたいと願っている。
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