1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02802007
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
田中 愛治 東洋英和女学院大学, 人文学部, 助教授 (40188280)
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Keywords | 政治意識 / 投票行動 / 選挙研究 / 政治支持 / 無党派層 / 支持政党なし / 社会調査 |
Research Abstract |
本研究は2年間にわたって、支持政党なし層、特に「どの政党も支持しない」ことを自ら意識している積極的支持政党なし層の意識構造を探ることを目的としている。研究初年度である平成2年度は、政党支持に関する意識を探るための郵送調査の実施が主要な研究目標であった。 この意識調査は選挙の時期に合わせて実施した。第39回衆議院総選挙が平成2年2月18日に実施されたため、当初平成2年春に予定していた郵送調査の実施を、統一地方選挙の直前である平成3年3月に延期した。その間に、政党支持を持たない有権者が、政治システムの均衡維持において果たす役割を理論的にまとめた(「政党支持なし層の研究(序)」『人文・社会科学研究論集』東洋英和女学院大学、第2号、平成3年1月発行)。これと平行して、政党支持なし層の意識を探る質問項目のワ-ディング(表現)を見直し、数回にわたって改良した。 以上の経緯を経て、横浜市緑区の全有権者(306,351名)から無作為系統抽出で選んだ、1004名の有権者に調査票(質問37項目)を平成3年2月24日に郵送した。3月26日迄に529の返信があり(回収率52.7%)、うち有効回答は520であった(有効回答率51.8%)。郵送調査としては高い回答率であったが、これは横浜市緑区の有権者の政治的関心の高さを示すものでもあろう。現在、デ-タ集計中であり、十分な分析には至っていないが、次の点がこの時点で明らかになった。政党支持を持つ回答者が62.5%で、政党支持なしの回答者は34.8%であり自民党支持者(37.1%)とほぼ同じ規模で、かなり大きな層である。政党支持なし層は政党色のある者(13.6%)と純粋な無党派(21.2%)に分けられるが、純粋な無党派層の3分の1(7.5%)が明確な無党派意識を持っていると解釈できた。即ちこの調査で、本研究の目的である、積極的な政党支持なし層を捉えることが出来たと言えるようである。
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Research Products
(2 results)