1990 Fiscal Year Annual Research Report
1950年代福井産地人絹織物業の研究(「ケイテ-株式会社」所蔵経営資料の分析)
Project/Area Number |
02803009
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
阪口 正雄 福井大学, 教育学部, 教授 (40020086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 耕平 福井大学, 教育学部, 助教授 (90228164)
木村 亮 福井大学, 教育学部, 助教授 (90195389)
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Keywords | 地域産業 / 人絹織物 / 福井県 / 系列化 / 繊維産業 / 経営史 / 企業金融 / 経営分析 |
Research Abstract |
まず、「ケイテ-株式会社」所蔵経営資料は現在、福井県立博物館において一時的に保管されているので、同館学芸員の協力を得て、資料の整理を行った。資料は従業員名簿から併設寄宿制高校に関するものまで多岐にわたったが、時に経理関係の帳簿類に重点をおいて整理を行った。 その上で、本年度は、手形帳のデ-タ整理から作業を行うことに決め、保存されている手形と対照可能な年度(昭和26、28、30、33、35年度)の受取手形帳および支払手形帳のデ-タをデ-タ・ベ-ス型アプリケ-ション・ソフトを利用してパソコン入力することとした。 具体的な入力デ-タの主たる内容は以下の通りである。手形日付、番号、取引内容、振出人または受取人、裏書人、支払地(銀行)、手形期限、金額、そして取引の顛末である。 件数は各帳簿により異なるが、平均600〜700件の取引が記載されている。ただし、28年の受取手形帳については、件数が1、700件と以上に多いことがわかった。これは主として富弥商事という京都の絹織物問屋によって振り出された手形が相当部分を占め、同商事の資金繰りの困難の影響をまともにかぶった結果である。実際、翌年には併設寄宿制高校を県に移管するなど、勝山兄弟株式会社の最大の経営危機に直面している。 以上のデ-タ入力作業は、研究分担者である木村研究室および本学ワ-ク・ステ-ション室において、学生7名の補助を得て行った。 また文献資料の収集について、県内の織物関係調査資料については県庁総務部県史編纂課所蔵の資料が利用できることがわかった。また東大経済学部図書館などにおいて、旧繊維法関係の審議会資料などを複写・収集した。
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