1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02804021
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山崎 正利 金沢大学, 理学部, 教授 (00019449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 敏夫 金沢大学, 理学部, 講師 (50184320)
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Keywords | ブラウン運動 / 熱エネルギ- / 生体運動 |
Research Abstract |
長い棒状高分子として筋肉のアクチン分子の線形重合体であるアクチンフィラメントを利用した。アクチン分子を蛍光色素で染色して蛍光顕微鏡下で可視化した。アクチンフィラメントの前後を区別するために、3種の方法を試みた。いずれも、アクチン分子のフィラメントへの重合が一方向に起こる性質を利用した。(a)1種の蛍光色素で染色するが、染色されたアクチン分子の密度にフィラメントの前後で差をつける。(b)フィラメントの前後を異なる色素で染色する。(c)フィラメントの一端に非常に強い蛍光を出すフィコビリ蛋白を結合させ、フィラメントの全体を1種の蛍光色素で染色する。(b)、(c)の場合には、蛍光顕微鏡内にある2種のフィルタ-ボックスにXー軸ステ-ジを連結して、コンピュ-タコントロ-ルにより、励起及び蛍光のフィルタ-を一緒に切り替えられるように工夫をした。これらの方法でフィラメントの前後を区別することができた。 フィラメントをメチルセルロ-スの溶液に分散させて、ブラウン運動がフィラメントの長軸に沿って優先的に起こるようにした。メチルセルロ-スのネットワ-クの中で、フィラメントの長軸方向の摩擦係数に異方性をもたせるために、ミオシンSー1をフィラメントに結合させた。Sー1はフィラメントの長軸に対し45度の角度で結合する。 このように調製したサンプルのブラウン運動の観察を開始した。一番の困難は、ブラウン運動によりフィラメントが対物レンズの焦点面から外れていって、追跡できなくなってしまうことである。できるだけフィラメントがXーY平面内に留まるように、いくつかの工夫を現在試みている。 理論については、具体的結論はまだ得られていないが、現在進行中である。
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