1991 Fiscal Year Annual Research Report
一般化された注入のある凝集系における定常的べき分布
Project/Area Number |
02804022
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高安 秀樹 神戸大学, 理学部, 助教授 (00183062)
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Keywords | 凝集現象 / べき分布 / フラクタル / 地形のモデル |
Research Abstract |
まず、2次元、3次元のシミュレ-ションを試みた。1次元系の場合と同じように、注入が絶えずある場合には、粒子の質量の分布はベキ分布に従うことが確かめられた。ベキの指数は平客場の値に近いが、それが平均場の値と一致するのかどうかについては、シミュレ-ションによって明確にすることはできなかった。指数の精度を上げるには、計算機の容量を現在の100倍程度上げる必要があることがわかった。 次に、計画どうり、ランダムな表面の問題への応用を開始した。例として地形の雨の侵食による形成過程を考えた。それは、次のようなモデルである。雨が絶えず一様に降るような面を考え、その面上では水は局所的により低い所に向かって流れていくものとする。水の流れに比例するような大きさで地面が侵食されるものとして、地形を時間発展させていく。窪地状になった部分には水が貯まり、池になり、いずれはどこかの淵から溢れ出るものとする。このようなプロセスを3角格子上でシミュレ-トした結果、次のようなことがわかった。初期にわずかに与えられたランダムな凸凹が侵食によって増幅され、川が形成される。川のパタ-ンは池以外では安定であり、池は有限時間のうちに全て解消される。すなわち、川のパタ-ンは、有限時間のうちに凍り付いたように不変になる。不変になった時点での川のパタ-ンは、フラクタル性を持っており、次元はおよそ、1.6である。また、川の流域の大きさや流量の分布はベキ分布に従うこともわかった。これらのことから、注入のある凝集系と同じように、地形は、雨の侵食によって自動的に臨界的な状態に収束する性質を持つことが明らかになった。 地形の問題において川の流量を粒子系の質量と対比することにより、両系において合流、あるいは合体という非可逆なプロセスがフラクタル性を実現させるのに大きな役割をになっていることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Provata,M.Takayasu,and H.Takayasu: "Aggregation with PowerーLaw and Fracfal Input" Phys.Rev.A.
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[Publications] H.Takayasu,M.Takayasu,A.Provata and G.Huber: "Statistical Properties of Aggregation with Injection" J.Staf.Phys.65. 725-745 (1991)
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[Publications] H.Takayasu,and H.Inaoka: "New Type of SelfーOrganized Crificality in a Model of Erosion" Phys.Rev.Lett.68. 966-969 (1992)