1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02804025
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
内藤 勲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (90000174)
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Keywords | 極運動 / チャンドラ-・ウォブル / 季節内変動 / 自転速度 / 不規則変動 / El Nino / コア・マントル結合 / 気象庁デ-タ |
Research Abstract |
極運動の季節変動に及ぼす風の寄与がはじめて評価された。その結果,気圧の寄与を加えた大気全体の寄与は観測される年周極運動の楕円率をよく説明し,また,その長軸の方向も説明することが明かにされた。 本研究の主題である極運動の不規則変動のうち,季節内変動については,極運動から逆算された励起極と大気による励起極とのそれぞれの回転スペクトル解析を行い次の結果を得た。極運動の季節内変動で最も卓越するのは約20日の周期を待つ西回りの運動で,これは大気による励起極の運動によって説明される。また,約60日の東経60度方向に振動する直線的な運動も存在することが示めされたが,励起源は明らかではない。 チャンドラ-・ウォブルに及ぼす大気の励起率も評価された。VLBIによる高精度極運動デ-タ及び気象庁デ-タに基づくAAM関数デ-タの比較を通じて得られた,最新の成果である。結果は,大気励起率は約60%を示した。これは従来の25%程度とする低い率を大きく上回まわるもので,今後,さらに検討する予定である。 本研究課題と直接関係ないが,さらに,自転速度の不規則変動に及ぼす大気の寄与が評価され,次の結果を得た。自転速度の季節内変動は風による大気相対角運動量でほぼ完全に説明される。しかし,自転速度の数年の時間スケ-ルの変動は大気の寄与と逆相関を示し,その結果,自転速度変動から大気の寄与を差し引いた顕著な5年程度の時間スケ-ルの変動が見出された。この5年変動は最的にはコア・マントル結合トルクに帰せられねばならないが,赤道太平洋のよく知られたEl Ninoを伴う大規模海洋変動いちじるしい逆相関関係にある。この事実は地球回転がとられた新しい地球変動と言えるもので,地球科学に大きなインパクトを与えるものと考えられる。
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[Publications] 内藤 勲夫,菊地 直吉: "自転速度の不規則変動に対する大気の寄与" 天気(日本気象学会機関誌).
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[Publications] 菊地 直吉,内藤 勲夫: "年周極運動に対する風の寄与" 天気(日本気象学会機関誌).
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[Publications] 内藤 勲夫,菊地 直吉: "Atmospheric Contribution to the Irreglar Variations of the Earth's Speed of Rotation" Geopluys.Res.Lett.
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[Publications] 内藤 勲夫・安成 哲三・岡田 格: "The IntraーSeasonal Wobble and the Atmospheric Angular Mowentum" Geopluys.Res.Lett.
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[Publications] 内藤 勲夫,菊地 直吉: "Wiud Contribution to the Annual Wobble" Geopluys.Res.Lett.
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[Publications] 内藤 勲夫,菊地 直吉: "IntraーSeasonal Variations of Atmospheric Mass Distribution" Geopluys.Res.Lett.