1991 Fiscal Year Annual Research Report
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02804025
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| Research Institution | National Astronomical Observatory |
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Principal Investigator |
内藤 勲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (90000174)
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| Keywords | 地球回転 / チャンドラ-・ウォブル / 角運動量 / 準2年振動 / 非線型システム / エルニ-ニョ |
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| Research Abstract |
昨年の反省に基づき、本年度は、極運動と自転速度変動をそれぞれ励起する大気励起関数の赤道軸モ-ドと極軸モ-ドを同時に捉える視点から再出発した。その結果、チャンドラ-周期近傍の変動周期と隣り合う準2年振動などの大気励起関数の変動周期が互いに倍周期あるいは1/2周期となる「倍周期長調波構造」を持つと同時にそれぞれの変動周期が上の二つのモ-ドを交互に選択する「モ-ド選択律」を持つこと、また、この変動周期群がチャンドラ-周期近傍の大気変動の周期と振幅を制御してチャンドラ-・ウォブルを励起・減衰させていることが明らかにされた。
大気の運動に現われるこれらの変動周期群は年周変化などの時間的基本モ-ドや海陸分布などの空間的基本モ-ドの非線型効果による対称性の低下で生じると考えられる。従って、地球回転変動は非線型な大気水圏システムが普遍的に内蔵する上の二つのモ-ドを反映した現象と捉え直すことができ、チャンドラ-・ウォブルなどを励起する赤道軸モ-ドや自転速度の準2年振動などを励起する極軸モ-ドの大気水圏システムの変動は普遍的に非線型結合の状態にあることがわかる。このことは、チャンドラ-・ウォブルの励起源の解明には、極運動と自転速度変動を独立な線型システムとして扱う従来の地球回転変動の考え方に代わって、両者を非線型システムとして同時に扱う考え方が必要であることを意味し、そうした立場から見た大気はチャンドラ-・ウォブルの有力な励起源であることが分かった。
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[Publications] 内藤 勲夫,菊地 直吉: "Reply to Rosen & Salstein's Comment" Geophys.Res.Lett.18. 1927-1928 (1991)
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[Publications] 内藤 勲夫,菊地 直吉: "地球自転速度の不規則変動に対する大気の寄与" 天気(日本気象学会機関誌). 39. 17-22 (1992)
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[Publications] 内藤 勲夫,菊地 直吉: "年周極運動に対する風の寄与" 天気(日本気象学会機関誌). 39. 23-26 (1992)
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[Publications] 内藤 勲夫,菊地 直吉: "Atmospheric Contributions to NonーSeasonal Variation of the Earth's Speed of Rotation" Geophys.Res.Lett.
