1990 Fiscal Year Annual Research Report
染色体のバシド構造に依存しないマッピング技術の開発と応用に関する研究
Project/Area Number |
02804053
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
藤山 秋佐夫 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (60142311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 衝 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (70188960)
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Keywords | 染色体マッピング / コスミドライブラリ- / F.I.S.H.法 / ヒト染色体 / DNAマ-カ- |
Research Abstract |
(成果)今年度の研究実施計画として提案したのは、ヒト18番染色体特異的なDNAマ-カ-セットの構築と、それを用いて18番染色体トリソミ-症の多重化部位の局在化と染色体上での既知遺伝子の相互関係を検討することであった。マ-カ-セットの構築については、鮎沢(東京大学)と堀(放医研)により確立された、ヒト18番染色体とX染色体の大部分を含むヒトーマウスハイブリッド細胞DNAからpWE15をベクタ-とするコスミドライブラリ-を作成した。ヒト全DNAをプロ-ブに用いたスクリ-ニングの結果、1.2X10^4個のヒトDNAを含むクロ-ンを得た。当初計画では、ATCCより入手したヒト18番染色体に特異的な短いDNA断片をプロ-ブに用い、コスミドクロ-ンのセットを選択する予定であったが、X染色体についても同時に解析を進め、マ-カ-セットを作成することにした。現在、約10クロ-ンについて、ヒト正常細胞を用いての蛍光標識in situハイブリダイゼ-ション法(F.I.S.H.法)による解析が終了し、染色体上での帰属を明らかにすることができている。(問題点及び今後の計画)研究遂行上で最大の障害となったのは、F.I.S.H.法の導入であった。染色体試料の作成方法、蛍光標識プロ-ブの最適鎖長、蛍光色素の改良・開発、顕微鏡(特に検出部分)の改良、画像処理、デ-タ処理ソフトウエアの開発等、多くの検討課題を得ることが出来た。今後も技術開発の努力を進め、本研究の当初の目的である(1)染色体のバンディングパタ-ンに依存しない、(2)技術的に容易で、一般性と再現性に優れるマッピング技術の開発を目指したい。ただ、これらの問題の本質的解決のためには、生物系・化学系・工学系・情報科学系研究者による共同研究を実施し、機器開発との両面から総合的に進めることが必要であろう。
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[Publications] Nakashima,H.,and Fujiyama,A.: "Construction of Human chromosome 18 specific DNA Markers and their usage for chromosomal Mapping" Genomics.