1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02804068
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
並木 秀男 早稲田大学, 教育学部, 助教授 (50120928)
|
Keywords | 増殖因子 / 牛胎児血清 / ヒト繊維芽細胞 |
Research Abstract |
正常ヒト繊維芽細胞を培養皿にフタ無しの状態で培養すると、細胞の増殖が著しく減少し、また二つに仕切られたシャ-レの片方で細胞を培養しもう一方に牛胎児血清を入れておくと細胞の増殖が有意に高まる。この現象は細胞あるいは血清由来の揮発性細胞増殖因子の存在を示唆している。以上のことからこの因子の単離同定を目的として以下の実験を試みた。 牛胎児血清を凍結乾燥させてその蒸気部分を二重トラップすなわち一段階目は-40℃のエタノ-ルトラップ、二段階目は-195.8℃の液体窒素トラップを用いて回収した。その結果エタノ-ルトラップでは主としてH_2Oが、液体窒素トラップでは小量の強い臭のある画分が得られた。 この画分の高速液体クロマトグラフィ-による分離を様々なカラムを用いて試みたが、いづれも吸着が激しく溶出が不能であった。そこで、ガスクロマトグラフィ-による分離を試みた。TENAXーTAあるいはキャピラリ-カラムで分離が可能であった。TENAXーTAカラムでは数種のピ-クが、またキャピラリ-カラムではそれ以上のピ-クが得られた。しかしながらガスクロマトグラフィ-による分取は困難であるばかりかたとえ分取できても量が少な過ぎて細胞に対する増殖促進効果を測定することはできない。また同様に分取して物質の同定することも勿論困難である。そこで本物質が低分子であることから、GCーMSによる分離同定を行い、それを合成して生理活性を調べる方針で現在研究を進めている。
|