1990 Fiscal Year Annual Research Report
有限要素法による顔表情しわの力学解析システムの開発
Project/Area Number |
02805015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
蔦 紀夫 広島大学, 工学部, 教授 (80221414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 恒実 広島大学, 医学部・付属病院, 講師 (70127687)
高橋 元次 資生堂, 基礎科学研究所, 主任研究員
白石 光信 広島大学, 工学部, 助手 (30144885)
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Keywords | バイオメカニックス / 顔表情しわ / 生体軟組織 / 有限要素法 / 超弾性体 / 有限変形 |
Research Abstract |
顔の表情変化時に目尻や額に生じる表情しわの生成機構を,力学的な手法を用いてコンピュ-タシミュレ-ションによってこれを解明するための第1年度の研究(通算3年間)として以下の研究を行なった。 1.うさぎの腹部から切出したスキン,およびスキンと皮下組織の複合体について,別途製作したスキン2軸引張試験装置を用いた直交2軸引張試験を行なった。そしてこれより力学解析に必要なスキンおよび皮下組織の異方性,超弾性応力一歪特性を同定した。特に本研究ではスキンと皮下組織の複合体の試験結果より皮下組織のみの力学特性を同定する方法を考案している。 2.表情しわの生成は、スキン,皮下組織および表情筋から成る3層構造体が,表情筋の収縮によって受ける応力,変形,座屈および後座屈挙動によって生じるものとし,超弾性特性を有する生体軟組織系の大変形大歪問題を理論解析する基礎方程式を導いた。次に得られたキルヒホッフ応力とグリ-ン歪による非線形な関係式を、筋収縮による荷重増分を適当な区間に切って増分線形化近似した。そしてラグランジェの未定定数法を用いて非圧縮性の条件を拘束条件とする変分原理から有限要素法の増分型剛性方程式を求めた。得られた剛性行列を、増分時の初期応力を含む幾何剛性マトリックスとそれ以外の成分に分ける事により、座屈荷重とそのモ-ドが求められるようにした。 3.得られた基礎関係式を用いて,表情しわの理論解析を行なうためのコンピュ-タシミュレ-ションプログラムの開発に着手し,現在これを継続中である。
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[Publications] 蔦 紀夫: "顔表情機構のコンピュ-タシミュレ-ション" 日本機械学会 第14回NCPシンポジウム論文集. 19-24 (1991)
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[Publications] Toshio Tsuta: "Analysis of Facial Wrinkling by the Finite Element Method" Proceedings of the 13th International Congress on Biomechanics. (1991)