1990 Fiscal Year Annual Research Report
磁場による非平衡プラズマ流の熱および流れの精密制御
Project/Area Number |
02805022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 秀哉 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (20156128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 新一 東北大学・流体科学研究所, 教授 (80006171)
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Keywords | プラズマジェット / 非平衡 / 磁場制御 / 熱流体力学的特性 / プラズマ特性 / 電子 / イオン / 可視化 |
Research Abstract |
本研究では,減圧された円管流路内に非平衡弱電離アルゴンプラズマジェットを形成し,外部より管軸方向に0〜0.42テスラの磁場を印加することにより,プラズマ流の熱流体力学的特性やプラズマ特性を制御することを目的とした実験装置を試作した。得られた結果を要約すると以下のようになる。 1.マクロな熱流体力学的特性 ミラー磁界中での静温度や流速は,半径方向に大きな勾配を有する。また電離度が小さい場合は,ローレンツ力やジュール加熱の効果が期待できないので,磁場強度を変化させても熱流体力学特性は基本的には変化しない。 2.プラズマ特性は,電子温度特性に強く依存し,熱非平衡度が強い場合には局所平衡を仮定したサハの式が適用できない。質量の小さな電子は衡突周波数,移動度,拡散係数などがイオンに比して非常に大きく,自由電子のみならず束縛電子も磁場による影響を大きく受ける。 3.管軸中心がプラズマ流,その周辺が中性ガス流の二重構造を有するため,励起温度や放射係数の磁場による変化は,管軸付近と管壁付近では異なる。 4.磁場による温度場の変化を可視化する熱画像システムを確立し,磁場制御特性を場として可視化することの重要性を指摘した。 5.以上より,非平衡プラズマ流では磁場を印加することにより,マクロな熱流体力学的特性とミクロなプラズマ特性を別々に制御できる可能性を示した。
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