1990 Fiscal Year Annual Research Report
新しい有機Teを用いたCdTeーSnTe量子井戸超格子の作製と赤外線デバイス
Project/Area Number |
02805036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田口 常正 大阪大学, 工学部, 講師 (90101279)
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Keywords | 有機Te / 量子井戸 / 超格子 / CdTe / SnTe / 赤外線デバイス |
Research Abstract |
減圧有機金属気相法(MOCVD)を用いて,(100)GaAs基板上にCdTeとSnTeを育成し,それぞれの膜の光学的性質を調らべることによってCdTe/SnTeからなる量子井戸構造に基づいた赤外線デバイスの可能性を研究した。高品質CdTeとSnTeを育成する条件を探るために,出来るだけ低温成長を行い,有機Teとして分解効率の高いジアリル(DA)Teとジメチルジ(DMD)Teを用いた。また,CdとSnの有機ガスとしてジメチル化合物を使用した。さらに,Teガスのクラッキングを行い,200℃程度の成長温度においてエピタキシアル成長を実現さした。得られたCdTe膜はDMDTeを用いた場合,1.589eVにアクセプタ-束縛励起子の発光が観測され,これまでジメチルTeから育成した膜と同一の品質を持つことがわかった。SnTeの成長も,CdTeと同一の条件で行なったが,多結晶の膜であり立方晶型は得られなかった。これは,GaAs基板との格子定数の差と結晶構造のちがいに起因していると考えられるため,数10A^^°程度の薄いSnTe膜を育成する必要がある。YAGレ-ザを用いて光伝導の測定を行った所,得られた膜の少数キャリア(電子)の寿命は数M秒であった。CdTeとSnTeから成る量子井戸構造について伝導帯の不連続値について,ひずみを考慮した理論解析を行った。SnTe量子井戸屏の厚みを数10A^^°でCdTe障壁屏を数100A^^°としたとき,タイプIの配列が予想され,電子の量子化準位はSnTe中で約200meVとなる。これは,5μm帯の赤外線の波長に対応する光学遷移を起すのに充分である。さらに,SnTe膜厚を変化さすことによって,波長領域を変化さすことも可能である。以上のことから,これまで提案されているCdTe/HgTeで問題となっているHgの不安定性の問題のない赤外線デバイスがCdTe/SnTeで実現出来る可能性があることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] C.Onodera,M.Ekawa and T.Taguchi: "Effects of H_2 heatーtreatment of exciton emission in MOCVDーgrown CdTe film on (100) GaAs substrate" Journal of Crystal Growth. 99. 459-463 (1990)
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[Publications] C.Onodera and T.Taguchi: "A new 1.47 eV defectーluminescence band in MOCVDーgrown CdTe on (100) GaAs" Journal of Crystal Growth. 101. 502-506 (1990)
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[Publications] T.Taguchi and C.Onodera: "Shallow acceptor boundーexcitons in CdTe epitaxial layers on (100) GaAs" Materials science Forum. 65/66. 235-240 (1990)
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[Publications] C.Onodera and T.Taguchi: "Growth and photoluminescence characterisation of CdTe epitaxial layers using diallyltelluride and dimethylditelluride" Technol.Report of Osaka University. 40. 245-253 (1990)