1990 Fiscal Year Annual Research Report
遷多区間の構造的特徴に着目した音素の類別とその音声認識への応用に関する研究
Project/Area Number |
02805044
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀 潤一 新潟大学, 工学部, 助手 (80209262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 真樹 新潟大学, 医療短期大学部, 助手 (10203738)
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Keywords | 自然観測法 / 自然観測係数 / 連鎖母音 / 調音結合区間 / 時係列 / 射影 / 個別差 / 後続母音予測 |
Research Abstract |
新たな音声信号のモデル化のための波形再構成理論(自然観測法)の母音・子音への適用実験を行った。また、モデルパラメ-タ時系列の特徴を幾何学的に簡単な軌跡としてとらえるために、意図的平面を定義し、そこへの射影を連鎖母音に対して試みた。これらの実験結果は、次年度以降の子音遷移区間での音素毎の特徴分類法の検討に活用する。以下、項目毎に述べる。 1.音声信号モデルパラメ-タの検討・選択(大久保・堀) 有限次元自然観測システムによるモデルパラメ-タの適用範囲を、母音連鎖に加えて子音へと広げた。特に、分析区間長や有限次元自然観測システムに関わる種々の要因(次数、観測時定数等)の最適化について多数の実験を行った。その結果、子音では音素毎に最適なパラメ-タが異なるものと判断し、今後の検討課題となった。 2.動的特徴を表す意図的平面決定法(堀) 後続母音部分への意図的平面を、"n次元のモデルパラメ-タを成分とするベクトルの時系列に対し、その動的変化が遷移区間での時間軸伸縮に無関係に後続音へ直線的に移行する軌跡となるような2次元平面"といった観点からの決定法を試みた。今回は自然観測係数が連鎖母音の調音結合区間で示す特徴を中心に実験を進めた。その結果、連鎖母音では/o/以外、直線的に移行する傾向がみられ調音結合区間で後続音を予測できる可能性を示した。以上の結果、母音に対する自然観測係数の特徴は他のパラメ-タに比べ有利な点を軌跡を示した。しかし、子音への適用結果は、子音の発生様式等を考慮にいれた処理の導入が必要と考えられた。また、調音結合区間からの後続母音の推定をねらった意図的平面に関しては、(個人差に対して)より柔軟な設計法への変更なども必要になることが予想される。
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