1990 Fiscal Year Annual Research Report
磁気光学薄膜を用いた光インタ-コネクションデバイスに関する研究
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02805047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡村 康行 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (80144442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 錠彦 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00029448)
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Keywords | 磁気光学薄膜 / 光インタ-コネクション / 光波の偏向 / ビスマス系希土類鉄ガ-ネット / 液相エピタキシャル |
Research Abstract |
半導体集積回路の発展に伴い大容量かつ高速コンピュ-タのめざましい進展が見られるが、このような状況下で最も重要な課題のひとつとしてチップ間やボ-ド間、装置間の接続いわゆるインタ-コネクションが挙げられる。例えば、計算機の周辺装置間の配線ひとつ取り上げても各装置は電線の束で結ばれ、荷重や複雑さの面ですでに限界に来ている。これを解決する方法として光インタ-コネクションが提唱され、その必要性と実現が望まれている。本研究は、この光インタ-コネクションのひとつの形態としてフェリ磁性希土類鉄ガ-ネット単結晶薄膜を利用したデバイスを提案し、基礎実験を行なった。提唱したデバイスは、磁性薄膜特有の磁化ドメインが形成する格子により光波が偏向され、偏向角度・方向が外部印加磁界によって制御できることを利用したものである。まず、磁性薄膜を液相エピタキシャル法により成長させ、磁化ドメインを安定に得るための作成条件を見い出した。対象とした磁性材料は、ビスマスが一部置換したルテチウム・鉄ガ-ネットである。磁化ドメインを形成するためには磁化が結晶面に垂直方向を向く必要があり、自発磁化の方向に注目して単結晶薄膜成長法の確立を目指した。このガ-ネット単結晶薄膜を酸化ビスマスフラックスを用いて成長させるとメルトが成長結晶面上に付着する欠点があったが、基板形状を長方形とすることにより解決した。そして、成長薄膜と基板結晶との格定数子差を制御することにより自発磁化が結晶面に対し垂直方向を向かせることが可能になった。成長した磁性単結晶薄膜のファラデ-回転係数を可視および近赤外波長において測定し、非ビスマス系鉄ガ-ネットより一桁程度大きいことを確認した。さらに、得られた磁性薄膜を用い、波長0.63μmのHeーNeレ-ザによる偏向実験を行ない、レ-ザ光が偏向され、外部印加磁界により偏向角度や偏向方向を可変できることを示した。
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[Publications] 岡村 康行: "Recont developments in magnetoーcptoo waveguides" Integrated Optics and Optuelectronics Proceeding SPIE. 1177. 354-361 (1990)
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[Publications] 岡村 康行: "Measurcments of Furaday effect in Iron garnet optical waveguide at near infrared wavelengths" Journal of Applied Physics. 67. (1991)