1991 Fiscal Year Annual Research Report
氷海域における構造物の非線形地震応答特性と安定性に及ぼす氷の影響に関する研究
Project/Area Number |
02805054
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Research Institution | YAMAGUCHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三浦 房紀 山口大学, 工学部, 助教授 (60109072)
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Keywords | 地震応答解析 / 非線形解析 / 氷 / 有限要素法 / 半無限要素 / 水との相互作用 |
Research Abstract |
平成2年度においては、等方等質の材料特性を有する構造物一水ー地盤ー氷系の時間領域における非線形地震応答解析プログラムの開発を行った。その際、半無限の広がりを有する氷と地盤については粘性境界を用い、水系については自由境界とした。 本年度は、氷の著しい特徴である異方性、そして水系の半無限への広がりを合理的に表現するための半無限要素の導入を行った。この半無限要素は周波数領域の解析にはこれまで用いられたことがあるが、時間領域の解析への導入は本研究が始めてである。 まず、開発したプログラムを用いて、半無限要素の有効性を構造物ー地盤ー水系の比較的簡単なプデルを用いて確認した。 次に、重力着底式海洋構造物を対象として、(1)本研究で開発した構造物ー水系の相互作用を考慮の入れた解析方法と、一般に用いられる付加質量法による解析の相達、(2)氷の異方性の構造物の応答に及ぼす影響、について解析および考察を進めているところである。 現在得られた知見は以下の様である。 (1)氷のない場合には、相互作用系で解析しても付加質量法で解析しても水の影響の差はあまりないが、氷があると、両者の差は顕著となる。 (2)氷の異方性は構造物の応答にほとんど影響を及ぼさない。 本研究によって、多くの解析を行っており、完全にそのまとめは終了していないが、初期の目的である構造物ー地盤ー水ー氷系の非線形解析手法の提案とそのプログラムの開発は終了した。 本研究の成果は、解析結果を早急にまとめ、論文として発表する予定である。
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[Publications] 三浦 房紀,王 均: "半無限要素を用いた水ー構造物ー地盤相互作用系の時間領域解析手法" 土木学会第21回地震工学研究発表会概要集. 453-456 (1991)
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[Publications] 三浦 房紀,王 均: 土木学会論文集.