1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02805059
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 正 北海道大学, 工学部, 助教授 (80111665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 和義 北海道大学, 工学部, 助手 (70001328)
藤田 睦博 北海道大学, 工学部, 教授 (80001139)
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Keywords | 雲物理 / 降雨現象 / 集中豪雨 / 気象 / ケスラ-モデル |
Research Abstract |
本研究は北海道のいくつかの山地流域に高密度に雨量計を配置することにより得られたデ-タをもとに、数分から数カ月単位の時間スケ-ルで降雨量、降雨強度の動向及びそれらの地形との関係や降雨タイプ別にみた特徴などを解析したものである。過去2年間の観測に加え、本年度は夕張山頂を挟んだ東西両斜面に雨量計を設置し山地斜面の両側における降雨の特性を明らかにした。月雨量及び観測期間中の総雨量は共に標高に対してほぼ線形増加の傾向を示すのに対して、日単位以下の短い時間スケ-ルでみると降雨量は東西両斜面でかなりのばらつきがあった。これは夕張岳周辺の地形特性や風の場に起因するものと思われる。一方本研究の代表者及び分担者らは近年雲や雨の様々な過程をパラメタライズしたKesslerのモデルを用いた降雨のシミュレ-ションを行い、さらにレ-ダ-雨量計を補完的に組み込んだメソスケ-ル降雨場の予測手法の開発を行ってきていた。一般に降水現象を物理的に扱う場合、水蒸気、水分(雲水)そして雨水等の微物理的相互作用のメカニズムをいかにして記述するかによりモデルの精度も大きく変わってくるため、本論文では雲水と雨水のみの相互作用をパラメタリゼ-ションしたKesslerモデルに対し、雪に氷晶を考慮したHobbsによるモデルを比較的簡単な条件で計算し、その基本的性質について検討した。雪に氷晶をモデルに組み込むことによって、水分の相互作用メカニズムは飛躍的に複雑になるため、総合化した形でのパラメタリゼ-ションはここ10年来のものであるが、既述のレ-ダ-雨量計網の充実とあいまって研究の急がれる分野である。数値シミュレ-ションの結果、同一条件下ではHobbsモデルの降雨強度はKesslerモデルの2.5倍であった。さらに地表面気温を氷点下に設定することで降雪現象も定量的に再現できることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山田 正,豊田 康嗣: "洪水におけるハイドログラフの特性とその形成過程に関する研究" 土木学会・水工学論文集. 35. 143-148 (1991)
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[Publications] 山田 正,茂木 正,亀田 祐二: "山地流域における降雨の分布特性と降雨の数値シミュレ-ション" 土木学会・水工学論文集. 35. 243-250 (1991)
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[Publications] 山田 正,大前 智敬: "砂礫河川の粒度分布構成における粒砕・摩耗効果" 土木学会北海道支部論文報告集. 47. 413-418 (1991)
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[Publications] 山田 正,茂木 正,亀田 祐二: "山地流域における降雨の特性と風の場の数値計算" 土木学会北海道支部論文報告集. 47. 425-430 (1991)
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[Publications] 山田 正,茂木 正: "雪と氷晶を考慮した降雨の一次元数値計算" 土木学会北海道支部論文報告集. 47. 431-436 (1991)
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[Publications] 藤田 睦博,山田 正,高野 耕平,西村 哲治: "豊平川上流部における水文観測システムと観測結果" 土木学会北海道支部論文報告集. 47. 389-394 (1991)