1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02805068
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉村 義広 東北大学, 工学部, 教授 (90206425)
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Keywords | 杭 / 杭基礎 / 杭の水平抵抗 / 動的解析 / 地震荷重分布 |
Research Abstract |
現行の耐震設計における杭の検討は,地震力を静的な集中水平力として杭頭に与えた場合に対して杭体断面を設計している。この場合,計算される応力は杭頭付近では大きな値を示すが深くなると急激に減少する。しかし,実際には中間層がある場合などが多いので,このような結果には疑問も多い。この点を検討するために数値実験とも言うべき解析的な研究として,杭で支持された14階建て建物の地震応答計算を行い,杭の深さ方向の応力分布について検討した。典型的な軟弱地盤を選定し,種々の条件の中間層が存在する場合も数種類想定した。その結果,定性的な範囲ではあるが,極端に剛性が異なる中間層,例えば超軟弱粘性土層や液状化層が存在する場合には,その境界付近で杭の応力が杭頭の値よりも大きくなることもあり,曲げ剛性の大きい杭ほどその傾向が顕著になることが分った。また,過去の地震観測例についての文献調査を行ったところ,杭先端支持層境界付近や比較的密な中間砂層の付近で,杭頭部と変わらないほどの大きな曲げ歪が発生していることが認められた。 これら動的な効果を静的に表現する一方式として,外力を杭頭における集中水平力のみでなく,分布荷重(あるいは何箇所かに分配された集中荷重)とする方法を考えてみた。その第一近似として,比較的均質地盤の場合を想定し,杭への設計荷重を上部構造の慣性力による成分と地盤の応答による成分とに分け,前者に対しては杭頭への集中水平力,後者に対しては,最も単純な場合として深さ方向への逆三角形分布荷重と考え,それぞれに対する抗の応力を合成するという方法を考えた。今後は,これを中間層などがあって複雑な地盤条件を示す場合に拡張し,解析例を積み重ねることを考えている。
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Research Products
(2 results)