1991 Fiscal Year Annual Research Report
陽電子消滅法による金属・半導体中の転位を中心とした結晶のキャラクタリゼ-ション
Project/Area Number |
02805079
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白井 泰治 京都大学, 工学部, 助教授 (20154354)
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Keywords | 陽電子消滅 / 転位 / バ-ガ-ス・ベクトル / 積層欠陥エネルギ- / 金属間化合物 |
Research Abstract |
1 積層欠陥エネルギ-の大きく異なるいくつかの面心立方金属・合金(Al,Au,Cu,CuーGe)を変形し、完全転位もしくはショックレ-部分転位における陽電子寿命を、高分解能陽電子寿命測定と寿命スペクトルの成分解析によって精確に決定した。 2 得られた陽電子寿命値を転位の拡張の中で整理し、次の事を見出した。積層欠陥エネルギ-が大きく、完全転位が実質上拡張していない場合は、陽電子寿命値は単一原子空孔中の値にはほぼ等しいのに対し、拡張の巾が一定値(【less than or equal】10A)を越えると陽電子寿命値は単一原子空孔中の値のほぼ60%にまで低下し、以後は拡張巾の増加に関わらずそ 3 上記の結果は、陽電子は従来考えられていた様に転位上のジョグ等に捕獲されるのではなく、線状の転位芯そのものに捕獲されることを明確に示している。 4 過剰空孔が形成する二次欠陥を利用し、フランク転位とステアロッド転位における陽電子寿命値を精確に決定した。先にもとめた完全転位およびショックレ-部分転位における陽電子寿命値を含めて、転位のバ-ガ-スペクトルの大きさで整理し、転位における陽電子寿命値は、転位のバ-ガ-スペクトルの大きさにほぼ比例する事を見出した。 5 金属間化合物TiAlに同様の手法を適用し、超格子転位においては陽電子寿命値は単一原子空孔中の値よりもさらに大きく、この場合も転位のバ-ガ-スペクトルの大きさにほぼ比例する事を見出した。 6 以上の研究成果は、これまで定説のなかった陽電子と転位との相互作用を明かにする一方、転位を含む各種結晶の陽電子消滅によるキャラクタリゼ-ションという新たな応用に突破口を開くものである。
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[Publications] Y.Shirai: "Systematic Change in Positron Lifetime with the Magnitude of Burgers Vectors of Dislocations in Metals" Materials Science Forum. (1992)
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[Publications] Y.Shirai: "Lattice Defects in Intermetallic Compounds TiAl Studied by positron Lifetime Spectroscopy" Materials Science Forum. (1992)
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[Publications] Y.Shirai: "Studies of Vacancies and Dislocations in TiAl by Positron Annihilation" Materials Science and Engineering,A. (1992)