1990 Fiscal Year Annual Research Report
電極反応による炭酸ガスのアルコ-ルへの選択的還元システムの開発
Project/Area Number |
02805107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 和仁 東京大学, 工学部, 講師 (00172859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆史 東京大学, 工学部, 助手 (70214377)
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Keywords | 炭酸ガス還元 / アルコ-ル / 銅電極 / 酸化銅 / SiC |
Research Abstract |
本研究では、炭酸ガスを電気化学的手法により還元して、アルコ-ル(メタノ-ル、エタノ-ル)を得ることを目標にしている。まず、我々が導いた、電極反応による炭酸ガス還元の分子論的機構に基づいて、アルコ-ル発生に適当と思われる電極材料の探索を行なった。その結果、以下の三通りの方法で研究を進めることに結論した。それぞれについて、現状を述べる。 (1)化合物半導体を用いた光電気化学系 我々のモデルによれば酸化銅、とSiC電極がアルコ-ル発生に必要な、構造的、及びエネルギ-的条件をかねそなえていると考えられた。まず酸化銅について実験を行なった。二価の酸化銅ではメタン発生が主であったが、一価の銅では、予想通りアルコ-ル発生が主となった。酸化銅自体が不安定で、自分自身を還元してしまうため、長期的に使うことはできないが、炭酸ガスの還元生成物としてはアルコ-ルがほぼ100%の電流効率で得られた。次にSiC電極を用いた。我々のモデルでは単結晶では不適で、アモルファス構造がアルコ-ル発生に適していると予想できた。実際に実験を行なった所、アモルファスSiCでは炭酸ガス還元生成物の約80%がメタノ-ルであった。 (2)銅表面の異種金属による修飾系 我々のモデルによれば、金属銅電極の表面を、電子親和力の大きなNiCo、Feなどの金属原子で1/2単原子層程度履うことによりアルコ-ル発生が主となる電極が得られると考えられる。これまでCo,Feについて実験を行なったが、まだアルコ-ルが主生成物となる系は得られていない。 (3)水素吸蔵電極 水素原子を十分吸蔵した電極で炭酸ガス還元を行なうと、アルコ-ルが主生成物になる可能性が予想される。一部、そのような結果が得られつつある。
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[Publications] J.Luo,K.Hashimoto,A.Fujishima: "Photoelectrochemical Reduction of Carbon Dioxide at Illuminated pーtype Capper oxide Electrode" Ber.Bumsenges.Phys.Chem.
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[Publications] K.Hashimoto,J.Luo,A.Fujishima: "Methanol Production from Carbon Dioxide at Illuminated P type Amorphous SiC Film Electrode" J.Electroanal.Chem.,.