1991 Fiscal Year Annual Research Report
疎水性高分子膜内へのタンパク質の配向分散と膜の生体膜モデルとしての利用
Project/Area Number |
02805110
|
Research Institution | Fukui University |
Principal Investigator |
堀 照夫 福井大学, 工学部, 助教授 (90092832)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 良治 福井大学, 工学部, 教授 (80020189)
|
Keywords | 生体類似機能膜 / タンパク質複合膜 / ポリペプチド複合膜 / 選択透過 / 共役酸化還元機能膜 / 電子伝達機能膜 / αーヘリックス構造 |
Research Abstract |
1.ゼラチン(GEL)/ポリエチレンテレフタレ-ト(PET)(2/8)複合膜を前年度に引き続き調整しこれを用いてKCl、NaCl、LiClおよびCaCl_2の水溶液からの透過係数を種々のpHで測定した。その結果、いずれのpHにおいても透係係数はStokes半径の小さい順に大きくなることを見出だし、選択透過性の可能性が示された。また、いずれの場合も膜の等電点で最も大きく、その両脇では透過係数は低下した。 2.ポリーγーボンジルーLーグルタメ-ト(PBG)とポリスチレン(PS)からなる複合膜を電場下で調整し、PBGの一部をアルカリけん化してポリーγーグルタメ-ト(PGA)とした後、これをメチレンブル-で染色し、顕微鏡観察したところ、PBGーPGA部が膜面に垂直方向に配向しているのが観察された。この膜について1)と同様な電解質透過を行なったところ、1)とは著しく異なった透過係数のpH依存性および序列を得た。このポリペプチドが膜内でもαーヘリックス構造をとっていることに基づいてこの序列を説明した。 3.電場下で調整したタンパク質複合膜の両面にそれぞれ別々の面にアルコ-ルデヒドロゲナ-ゼ(ADH)とDiaphorase(DP)を固定化し、NAD^+/NADHを共通補酵素とする1組の共役酸化還元反応の駆動を試みた。すなわち、ADH側(I槽)には基質としてエタノ-ルを、DP側(II槽)の基質としてはジクロロインドフェノ-ル(DIP)を用い、II槽に生成するDIPロイコ体を追跡したところ、ADHを固定化しない場合に比べ、活性は著しく低下したが、DIP_<leuco>の生成速度は2倍近く上昇した。そして、これが膜面での電子交換速度がスム-ズに行なわれるためであることを立証した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 田畑 功,堀 照夫,中村 良治: "羊毛の細胞間充填物およびケラテインの銅イオン共存による電子移動担体としての機能" 繊維学会誌. 47. 148-154 (1991)
-
[Publications] T.Hori,T.Fukui,H.Tsujimura,Y.Nakamura: "Preparation of Composite membranes from Gelatin and poly(ethylene Terephthalate)under an Electric Field and Their Membrane Permeability" 繊維学会誌.