1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02805114
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中村 尚武 立命館大学, 理工学部, 教授 (10066722)
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Keywords | アイオノマ- / 粘性 / 高圧下の粘性. |
Research Abstract |
前年度行ったナフィオンエタノ-ル溶液の高圧下粘度測定実験において、その結果の一部、特に100MPa以上の高圧下での測定デ-タ若干のばらつきが認められた。このため、本年度は、まず最初にその原因を究明するために、測定装置ならびに測定系の各部での再定検を行った。その結果、ガラス製試料室を形成するピストン部分に少々問題があり、特に、高圧下では、一部圧媒がリ-クする可能性が認められた。このため、ガラス製試料室を新たに作り直すとともに、直結するピストンとして今まで市販注射器の一部を利用してきている部分について、精密注射器のものを利用するように変更し、しかもこの部分を出来るだけ頻繁に交換するようにして以後の実験を行った。その結果この部分に関する測定実験上の問題点は解決され、300MPaまでの粘度測定が可能になった。 前年度と同様の方法で、改めて試料溶液の調製を行った。25℃常度下でウベロ-デ粘度計を用いて行ったこの溶液の実験結果は、前年度の測定結果とよい一致を示した。すなわち、低濃度測で著しく粘度が高くなる典型的なポリエレクトロライト効果が確認された。また、測定温度を25℃とし、各濃度の溶液について、25MPaおきに、最高300MPaまでの圧力下で粘度測定を行った。得られたデ-タから還元粘度を計算し、これらを濃度に対してプロットした図は、本科研費研究成果報告書に掲載した。この図から、(1)圧力下でもポリエレクトロライト効果は認められる。(2)ポリエレクトロライト効果は圧力増加と共に抑制される傾向が認められる、ことが明らかになった。現在、溶媒の誘電率の圧力依存性や類似の効果が報告されている粘度に及ぼす塩添加効果などを参考にしながら考察を深めている。
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