1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02806003
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒田 俊郎 岡山大学, 農学部, 助教授 (10032301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 誠一 岡山大学, 農学部, 教授 (20205173)
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Keywords | ダイズ / 花房次位 / 形態 / 開花 / 落花 / 落莢 / 診断 |
Research Abstract |
本年度は花房次位別に各種の摘花処理を行い,花房次位間の相互関係に検討を加えた。開花直後に低次位を摘花すると,高次位の開花数・結莢率・100粒重が増加して対照区の93%の子実重を得た。開花始め後2週間に低次位を摘花した場合,高次位の結莢率が著しく上昇した。いずれからも高次位花器による収量補償作用が示された。高次位を開花直後に摘花した区では低次位の結莢率が上昇した子実重が増加し,高次位の欠如を低次位が補償した。高次位の開花始め後2週間にそれらを摘花した区でも低次位の結莢率は増加した。2次椏枝および2次を摘花した区では3次以上の高次位花器はほとんど増加せず,結莢率が低次位で上昇したのみであった。以上から低次位花器がシンクとしてきわめて強勢であると思われた。摘心により作出した2分枝型区では片側枝条・低次位摘花の処理を行った。高次位花器数は処理枝条で増加し,100粒重は両枝条の高次位と非処理枝条の低次位で高い値を示した。子実重は両枝条の高次位において増加したが,枝条間における同化産物の競合関係は考え難く,椏枝数の増加に起因すると思われる。分枝をすべて切除した主茎型区では,下部低次位摘花を行った。処理部位では高次位の開花数・結莢率および子実重が増加し,非処理部位では高次位への影響は小さく,低次位の子実重が増加した。 以上から花房次位間の競合・補償関係および次位内での相互関係が極めて重要であると考えられた。ダイズの花房次位は子実収量を維持するための重要な機構であると思われ,各生育ステ-ジにおける花器着生相によってその収量成立過程を把握する可能性を見いだした。なお,最終年であり,開花した花器着生相の分析法ならびに文献デ-タベ-スの充実にも力点を置いた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 黒田 俊郎,植高 智樹,郡 健次,熊野 誠一: "ダイズにおける花房次位別の花器脱落習性" 日本作物学会紀事. 61. 74-79 (1992)
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[Publications] 黒田 俊郎,郡 健次,熊野 誠一: "花房次位からみたダイズの結莢に及ぼす栽植密度の影響" 日本作物学会紀事. (1992)