1990 Fiscal Year Annual Research Report
単純酵素による複合糖質糖鎖認識単位の位置選択的合成に関する研究
Project/Area Number |
02806017
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
碓氷 泰市 静岡大学, 農学部, 教授 (50111802)
|
Keywords | 複合糖質 / 糖鎖認識単位 / 酵素合成 |
Research Abstract |
1)Bacillus circulansの生産するβーDーガラクトシダ-ゼを用い、ラクト-ス(Galβ1ー4GlcNAc)を供与体基質、Nーアセチルグルコサミン(GlcNAc)あるいはNーアセチルガラクトサミン(GalNAc)を受容体基質として高基質濃度下、糖転移反応を行ない高い位置選択性でもってNーアセチルラクトサミン(Galβ1ー4GlcNAc)と4ー0ーβーDーガラクトサミニルNーアセチルガラクトサミン(Galβ1ー4GalNAc)2糖の効率的合成法に成功した。特に複合糖質オリゴ糖鎖の最小単位として生化学的に重要なNーアセチルラクトサミンについては酵素反応から分離する際、結晶化しやすい糖であったので本2糖の大量・分離調製が可能であった。この収量は受容体基質GlcNAcあたり23.2%であった。 2)Nーアセチルラクトサミンの構造異性体であるNーアセチルアロラクトサミン(Galβ1ー6G1cNAc)についてはKluyveromyces lactisの生産するβーDーガラクトシダ-ゼを用い、ラクト-スを供与体、GlcNAcを受容体基質として上記と同様に反応を行なうと優先的にガラクトシル基がβー(1ー6)結合転移したNーアセチルアロラクトサミンと小量の副生成物Nーアセチルラクトサミンが生成した。この反応液をB.circulansのβーDーガラクトシダ-ゼによる加水分解処理を行なった後、活性炭カラムクロマトグラフィ-により極めて効率よくNーアセチルアロラクトサミンを分離することが出来た。本2糖の収量は受容体基質GlcNAcあたり17.7%であった。
|
Research Products
(1 results)