1990 Fiscal Year Annual Research Report
IPNVに対するニジマス抵抗性への分子生物学的アプロ-チ
Project/Area Number |
02806035
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
岡本 信明 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (40114912)
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Keywords | ニジマス / インタ-フェロンβ / 分子クロ-ニング |
Research Abstract |
ニジマス肝臓より常法に従ってDNAを抽出し、種々の制限酵素で切断し、アガロ-ス電気泳動法でゲルを作製した。ナイロンメンブレンにDNAを転写し,サザンブロット法でインタ-フェロンβのDNAの探索を行った。探索のために使用したDNAプロ-ブは,大阪大学,谷口維紹博士より分与を受けたヒトインタ-フェロンβのcDNAを含むTPIF319ー13のプラスミドを大腸菌DH5αを用いて増殖させ、それより調製したPstI〜BglI断片である。ハイブリダイゼ-ションの条件を検討したところ、4XSSC,60℃,オ-バ-ナイトでハイブリダイゼ-ションを行い、3XSSC,55℃,30分の洗浄がDNA検出に最も好条件であることが明らかになった。この条件で行ったところ、XbaIで約25kbに、EcoRIでは約7kbと約5kbの2本にヒトインタ-フェロンβと相同性を示すバンドを検出できた。そこで、low meltingアガロ-スを用い、XbaI断片約25kbのDNAを回収し,ベクタ-としてCharomid9ー28を、宿主として大腸菌DH5を用いて、genomic DNAライブラリ-を作製した。このとき得られたコロニ-数は2×10^5であった。このDNAライブラリ-からコロニ-ハイブリダイゼ-ション法によって、ヒトインタ-フェロンβのプロ-ブと相同性を示すコロニ-を釣り出すことに成功した。現在、この陽性シグナルを示したコロニ-を増殖させ、Charomidを増やして制限酵素地図を作製中である。ヒトやマウスのインタ-フェロンβ遺伝子との相同性を確かめ,釣り出したニジマスDNAが真にインタ-フェロンβである可能性が高い場合には、インタ-フェロンの産生を確認して,RTGー2細胞とIPNウイルスの系を使って、ウイルス増殖抑制効果を確かめる予定である。また、mRNAレベルでの発現とニジマスのIPN抵抗性との関係についても調べる予定である。
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