1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02806055
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
石黒 直隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00109521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 基広 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (30219216)
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Keywords | ウシ / リンパ球 / T細胞 / レセプタ- / 遺伝子再構成 / cDNA / 塩基配列 |
Research Abstract |
本年度は牛T細胞抗原レセプタ-(TCR)遺伝子γ鎖とδ鎖の分離と構造解析、さらには牛白血病由来T細胞で発現しているTCR遺伝子の分子構造について解析を行った。牛末梢血リンパ球と胸腺細胞から作成したcDNAライブラリ-(2x10^6個と5x10^5個のプラ-ク数)より牛TDRγ鎖9クロ-ンと牛TCRδ鎖3クロ-ンを分離した。得られたγ鎖9クロ-ンの内4クロ-ンは、遺伝子再構成を示すVーJーC構造を示していたが、残りの5クロ-ンはC領域のみであった。また牛γ鎖C領域は3群(Cγ1,Cγ2,Cγ3)に分類され、222個、211個、194個のアミノ酸残基をコ-ドしていた。特にγ鎖C領域のヒンジ部分に大きな多型性が観察され、5つのアミノ酸配列(TTEPPあるいはTTKPP)の繰り返し構造が存在した。各種動物由来γ鎖C領域との比較では羊由来γ鎖に80%以上のホモロジ-を示した。一方牛TCRδ鎖はVーDーJーC構造を示し、C領域も1種類で155個のアミノ酸をコ-ドしていた。牛δ鎖C領域内にはシステイン残基は3カ所存在し、糖付加部位も2カ所とマウス、ヒト同様良く保存されていた。C領域のアミノ酸配列は、ヒト(62%)およびマウス(64%)に比べ羊(85%)に高いホモロジ-を示した。 牛散発型(T細胞系)白血病(仔牛型、皮膚型、胸腺型)よりヌ-ドマウスを介してT細胞系腫瘍細胞株を樹立し、腫瘍細胞株におけるTCR遺伝子の構造について解析を行った。仔牛型および胸腺型由来腫瘍細胞株はγ鎖とδ鎖を、一方皮膚型はβ鎖とδ鎖を発現していたが、cDNAクロ-ンの塩基配列の結果から、これらのメッセ-ジは機能的なメッセ-ジでないことが明らかとなった。また胸腺型腫瘍株より新しいγ鎖C領域(Cγ4)も分離された。以上の結果より牛γ鎖C領域は、マウス同様4種類存在することが明らかとなった。
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[Publications] Atsuko Tanaka: "Seauence and diversity of bovine Tーcell receptor βーchain qenes" Immunogenetics. 32. 263-271 (1990)
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[Publications] Naotaka Ishiguro: "Primary structure of bovine lactate dehydrogenaseーAisozyme and its synthesis in Escherichia coli" Gene. 91. 281-285 (1990)
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[Publications] Nobuyasu Takeuchi: "Molecular cloning and sequence analysis of bovine Tーcell receptor γ and δ chain genes" Immunogenetics. 35. 89-96 (1992)
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[Publications] 石黒 直隆: "牛T細胞抗原レセプタ-遺伝子の構造解析と牛T細胞系白血病への診断的応用" 家畜生化学研究会報. 24. 48-61 (1990)