1990 Fiscal Year Annual Research Report
左右の大脳皮質ニュ-ロンの相互作用の相関分析法による解析
Project/Area Number |
02807011
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松波 謙一 岐阜大学, 医学部, 教授 (90027491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 朝隆 阜岐大学, 医学部, 助手 (40225470)
佐竹 裕孝 岐阜大学, 医学部, 助手 (30187158)
川島 卓 岐阜大学, 医学部, 講師 (90161314)
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Keywords | 脳梁 / 3a野 / ニュ-ロン活動 / 左右大脳 / 相関 / ネコ |
Research Abstract |
本研究では左右のSII野(ネコ)から同時に単一ニュ-ロン活動を記録し,その相関係数を算出するのが主要目的である。この為には次の三つの基本的な問題を解決しておく必要があった。又,それらは,平成2年度の科学研究費補助金交付申請書の研究実施計画中,7項目として挙げた内に含くまれるものである。その3項目とは,(1)ケタラ-ル麻酔下で両側大脳皮質(今回はSIIでなくSIの3a野に変更)から同時にニュ-ロン活動を記録し,少なくとも20〜30分間,保持すること。(2)脳梁を刺激し,脳梁ニュ-ロンであるか否かの同定をすること。(3)記録した二つのニュ-ロン活動の相関を計算すること,である。本年度はこの3項目における問題はほぼ解決できたと思うので,来年度は記録するニュ-ロン対の数を増すことに専念したい。今回は(1),(2)の項について記述する。 (1)の左右両側の大脳皮質から同時に単一ニュ-ロン活動の記録を微小ガラス電極によって行った。皮質が空気に曝されるので,実験を始めた直後のニュ-ロンの記録は良いが,時間と共に効率が悪くなる。これを防ぐ為,ネコの体温の保温,昇圧剤,記録部位を小さくするなどしているが,思うようには良くならないが,何とか解析に耐える記録はできるようになった。(2)の脳梁刺激は,記録している皮質からの軸索が走る部位に刺激針を当てなければならないが,誘発電位が小さいので加算している(三栄測器,7T17)。又,効率よく刺激針を脳梁に当てるため,WGAーHRPを大脳皮質の色々な領域に注入し,どの部位が脳梁の何処を通るかを70匹近いネコを使い決定した。この解剖学的デ-タは日本神経科学協会の学会で発表した。又,ニュ-ロン活動の相関についても若干のデ-タを得ており,1991年3月の生理学会で口頭発表の予定である。
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[Publications] Matsunami,K.et al.: "Hierarchial model in the monkey memory system." Neurosciences (Okayama). 16. 317-322 (1990)
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[Publications] Matsunami,K.et al.: "Dual limbic flows in the monkey memory system.A hypothesis on limbicーneocortical interrelationships." Vision,Memory and Temporal Lobe Iwai,E.and Mishkin,M.(Ed). 263-269 (1990)