1990 Fiscal Year Annual Research Report
高コントラストカメラと細胞内潅流法を用いた神経突起伸長運動の分子機構の解析
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02807014
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
山口 和彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00191221)
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Keywords | 培養神経細胞 / 神経突起伸長 / 成長円錐 / フィロポディア / 細胞質流動運動 / 後根神経節 / 高コントラストカメラ / 無血清培養 |
Research Abstract |
脊椎動物における神経突起伸長運動とその調節の分子メカニズムを解明することを目的として本研究を遂行した。本年度は高培率の光学顕微鏡像を高コントラストカメラを用いて処理することにより、培養神経細胞の成長円錐内部の細胞質流動運動を検出することを目標とした。材料としては成熟モルモット脊髄後根神経節細胞、および鶏胚蝸牛神経節細胞の単離培養したものを用いた。神経細胞を酵素処理により単離した後カバ-ガラス上、無血清培地中で培養した。コントラスト増強回路内蔵型顕微鏡用CCDカメラを用いて高培率の光学顕微鏡像を処理することにより直径0。2マイクロメ-タ-程度の微粒子の識別が可能となった。 成熟モルモット脊髄後根神経節細胞では、培養後、数時間から24時間で神経突起が伸長し始め、大きな成長円錐を持つものもあり、細胞質流動運動が観察され、以下の知見を得ることができた。 (1)成長円錐先端部もしくはその近傍から伸長している細い神経突起(フィロポディア、直径約0.3マイクロメ-タ-)内において微粒子の流動運動が観察された。 (2)フィロポディア内流動運動の方向は45例中36例(85%)において先端から近位端に向かう、神経突起伸長方向とは逆向きのものであった。これはアメフラシ培養神経細胞における報告と一致する。 (3)流動運動が観察される場合、その運動速度は2〜4マイクロメ-タ-/分(28℃)の範囲に分布していた。 現在、神経成長因子、サイトカラシンBなどの投与による効果を解析することにより、細胞質流動運動と神経突起伸長運動の因果関係について検討している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamaguchi,Kazuhiko: "Voltage gated and chemically gated ion channel in the cultured cochlear ganglion neurone of the chick." Journal of Physiology. 420. 185-206 (1990)
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[Publications] Yamaguchi,Kazuhiko: "Modulation of inwardly rectifying channels by substance P in cholinergic brain neurones culture." Journal of Physiology. 426. 499-520 (1990)
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[Publications] Yamaguchi,Kazuhiko: "Enhancement of the Ca^<2+>ーcurrent by a serumーfactor in cultured dorsal root ganglion neurons of the adult guineaーpig." Brain Research. 529. 286-293 (1990)
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[Publications] Yamaguchi,Kazuhiko: "Acetylcholine reduces Kーcurrent in the cultured chick cochlea ganglion neuron." Neuronscience Research. Suppl.(1991)