1991 Fiscal Year Annual Research Report
脳室内Na濃度連続測定法による脱水回腹時の浸透左受容機構の解明
Project/Area Number |
02807017
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
能勢 博 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40128715)
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Keywords | Dehydration / Rehydration / Na electrode / Cerebrospinal fluid / Continuous measurement |
Research Abstract |
今年度は1)前年度に確立した麻酔下ラット髄液Na濃度連続測定に用いたNa電極を意識下ラットでも用い得る様にした点と2)高張性Na溶液の脳室内投与量と飲水量の関連を検討した2点である。 1)従来の複合型Na電極では毛細ガラス間の先にNaイオン交換樹脂を固定したものに比較電極を張り合わせて外径0.6ー0.8mm、先端長10mmのものを作成して用いた。しかし、これを意識下ラットに用いるには次の点で不適当である。まず、ラットの脳室内に慢性的に固定した長さ20ー30mmのカニュウラを経て脳室内に電極が到達するには電極先端部の長さが短か過ぎること、もし先端部を20ー30mmの長いものを作成すると自発運動下のラットでは電極のガラス部分を破損する可能性があること、さらに2つの電極を張り合わせた複合型電極では先端外径がカニュウラの内径より太くなって電極を脳室内へ刺入できないことであった。しかし、最近Flexibleな中空グラスファイバ-の入手が可能となりこれらの問題が解決した。すなわち、外径0.4mm、内径0.3mmのポリエチレンチュ-ブに外径0.25mm、内径0.1mm程度のファイバ-を挿入し、ポリエチレンチュウブとファイバ-の間に3M KCl Agarを注入して比較電極とすれば、慢性ラットにおいても使用可能な複合型Na電極となった。 2)脳室内に高張性食塩水を微量注入するとラットは飲水を開始するが、この時の脳室、脳実質内のNa濃度変化が不明のためにこの反応の浸透圧特異性に関して疑問視されている。今回、実験一週間前にラット側脳室内にカニュウラを挿入固定し、さまざまな濃度の高張液を注入した際の飲水量を調べた。この結果、1M NaCl溶液を5μl/minで注入したときに飲水行動が起き、これ以下の刺激、例えば注入速度や注入溶液のNa濃度を低下させても飲水行動は起きなかった。この時の脳室内、脳実質内のNa濃度変化を現在麻酔下ラットで検討中で、間もなく意識下ラットに応用する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nose,H.,A.Takamata,et al.: "Water and electrolyte balance in the vacular space during graded exercise in humans." Journal of Applied Physiology. 70. 2757-2762 (1991)
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[Publications] Takamata,A.,H.Nose,et al.: "Control of total peripheral resistance during hyperthermia in rats." Journal of Applied Physiology. 69. 1087-1092 (1990)
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[Publications] Nose,H.,Y.Doi,et al.: "Continuous measurement of Na concentration in CSF during gastric water infusion in thermally dehydrated rats." Journal of Applied Physiology. (1992)
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[Publications] Doi,Y.,H.Nose,et al.: "Changes in Na concentration in cerebrospinal fluid during hypernatremia and their effect on drinking in juvenile rats." Physiology and Behavior. (1992)