1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02807021
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大熊 誠太郎 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30152086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣内 雅明 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70181196)
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Keywords | G蛋白 / βーアドレナリン受容体 / 細胞内情報伝達系 / 初代培養 / 神経細胞 |
Research Abstract |
初代培養神経細胞を神経伝達物質受容体アンタゴニストに長期間曝露すると、[ ^3H]GppNHp結合が増加することがすでに判明しており、G蛋白のαサブユニットの増加が生じていることが示唆される。このことから、当該年度では、本研究で用いている初代培養神経細胞が有しているムスカリン受容体のアンタゴニスト曝露に伴う細胞内情報伝達系の変化、さらにG蛋白との機能的共軛が十分解明されているβーアドレナリン受容体の神経細胞における存在の可否と、βーアドレナリン受容体過感作状態に伴うG蛋白を含めた細胞内情報伝達系の機能変化について検討を行った。 1)初代培養神経細胞に存在するムスカリン受容体は、ムスカリン受容体アンタゴニストへの長期曝露に伴い、受容体結合の増加を示したが、この受容体と機能的に共軛する細胞内情報伝達系の1つであるPI代謝回転は、むしろ逆に低下し、またG蛋白は増加していることが判明した。 2)本研究で用いた初代培養神経細胞においては、βーアドレナリン受容体が存在し、この受容体の刺激により、Gs蛋白を介してアデニレ-トシクラ-ゼ活性を上昇させた。また、アンタゴニストの曝露により、βーアドレナリン受容体数は増加し、Gs蛋白のαサブユニットも増加していることがADPーリボシル化やGTPアナログによるサイクリックAMP生成の検討などから明らかとなった。 3)以上の結果から、受容体過感作状態においては、明らかにG蛋白のαサブユニットが増加することは明らかであり、次年度においてはこの現象の機序を解明するために、G蛋白のサブユニットmRNAの変化およびこのmRNAのDNAからの転写機構などを検討し、G蛋白の生合成調節機構を明らかにしたいと考えている。
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[Publications] Kuriyama,K.and Ohkuma,S.: "Alteration in interacellular signal transduction systems associated with downーregulation of muscarinic cholinergic receptor:Analysis using primary cultured neurons from mouse cerebral cortex" Biomed.Res.10. 375-383 (1989)
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[Publications] Ohkuma,S.,Kishi,M.,Ma,F.ーH.and kuriyama,K.: "Alterations in receptorーcoupled second messenger systems at upーregulated muscarinic receptor:Analysis using primary cultured neurons" Eur.J.Pharmacol.189. 277-285 (1990)
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[Publications] Ohkuma,S.,Kishi,M.,Ma,F.ーH.and Kuriyama,K.: "Analysis of molecular mechanisms underlying upーregulation at cerebral muscarinic receptor using primary cultured cerebral cortical neurons" Clin.Neuropharmacology. 13(Suppl.2). 635-636 (1990)
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[Publications] Ma,F.ーH.,Ohkuma,S.,Kishi,M.and Kuriyama,K.: "Ontogeny of βーadrenergic receptor mediated cyclic AMP generating system in primary cultured neurons" Int.J.Dev.Neurosci.(1991)
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[Publications] Kuriyama,K.and Ohkuma,S.: "Methods in Neurosciences,Vol.2,Cell Culture" Academic Press, 14 (1990)