1991 Fiscal Year Annual Research Report
Tリンパ球の表面膜受容体を介するイノシト-ル脂質代謝シグナル変換酵素の活性化機構
Project/Area Number |
02807029
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Research Institution | Sapporo Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 輝捷 札幌医科大学, 癌研究所, 教授 (00045494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石埜 正穂 札幌医科大学, 癌研究所, 助手 (30232325)
佐々木 洋子 札幌医科大学, 癌研究所, 講師 (60045424)
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Keywords | T細胞受容体 / タンパク質チロシンキナ-ゼ / チロシンリン酸化 / src相同領域2 / ホスホリパ-ゼC / 組み換えバキュロウイルス |
Research Abstract |
1.タンパク質チロシンキナ-ゼ(PTK)p59^<fyn>によるT細胞受容体(TCR)/CD3複合体に存在するち鎖のリン酸化。ラットち鎖cDNAの膜貫通部位に存在するAsp残基を部位特異的変異によりAlaに変換し、変異ち鎖cDNAをバキュロウイルスDNAに組み込みSF9細胞で発現した。感染細胞におけるち鎖の発現は、抗ち鎖ペプチド(残基110ー122)抗体を用いた免疫ブロッティングにより検出した。SF9細胞にち鎖DNA組み換えバキュロウイルスと共にp59^<fyn>cDNA組み換えバキュロウイルスを感染させたところ、発現ち鎖にTyr残基のリン酸化が起こった。Tyr残基のリン酸化は、抗ホスホチロン単クロ-ン抗体PY20を用いた免疫ブロッティングにより検出した。現在、p59^<Fyn>の代わりにp56^<lck>をち鎖と共にSF9細胞に発現した場合、ち鎖のTyrリン酸化が起こるか否かを検討している。また、ち鎖とp59^<fyn>を同時にSF9細胞に発現する系を用いて、[ ^<32>P]リン酸で高比活性に標識したち鎖を調整することを試みている。標識ち鎖を検出に用いてヒトT細胞株Jurkat cDNAのλgtllライブラリ-から、Tyrリン酸化ち鎖を認識し会合するsrc相同領域2(SH2)を有するシグナル伝達タンパク質を同定する予定である。2.ホスホリパ-ゼCr(PLCr)、p56^<lck>、およびp59^<fyn>に存在するSH2領域の結合特異性。SH,2領域はTyrリン酸化タンパク質領域に結合するが、異なるSH2領域は、Tyrリン酸化部位近傍のアミノ酸配列にも高い特異性を有すると推定されている。そこで、PLCr、p59^<fyn>およびp56^<lck>のSH2領域をtrpE遺伝子との融合タンパク質として大腸菌で発現し、それぞれのSH2領域のアフィニティ-カラムを作成した。p59^<fyn>とp56^<lck>のSH2領域は近似した特異性を示したが、PLCrのSH2は異なる特異性を示した。紫外部吸光度モニタ-は、抗体およびSH2領域の精製に使用した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Yamashita,H.HasegawaーSasaki,T.Sasaki: "Suppression by staurosporine of Ca^<2+> -mobilization triggered by ligation of antigenーspecific receptors on T and B lymphocytes." FEBS Lett.288. 46-50 (1991)
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[Publications] T.Takahashi,K.Imai,T.Sasaki&A.Yachi: "Preparation of antiーT idiotype monoclonal antibody reacting with human T leukaemic cell lines and with small percentage of Peripheral T lymphocytes." Clin.exp.Immunol.82. 590-595 (1990)
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[Publications] H.HasegawaーSasaki,T.Endo,T.Sasaki: "Mechanism of phospholipase C activation through the T cell receptor/CD3 complex." Tumor Res.25. 37-54 (1990)
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[Publications] T.Endo,Y.Yamashita,H.HasegawaーSasaki,T.Sasaki: "Difference in the Ca^<2+> responses of various human T cell lines to stimulation of the T cell receptor/CD3 complex with monoclonal antibodies." Tumor Res.25. 55-62 (1990)
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[Publications] 佐々木 輝捷: "プロテインチロシンキナ-ゼによるイノシト-ルリン脂質代謝酵素の活性化" 代謝(Vol.28臨時増刊号). 28. 69-73 (1991)
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[Publications] 佐々木 輝捷: "Tリンパ球の活性化とイノシト-ルリン脂質代謝" 蛋白質核酸酵素. 36. 235-239 (1991)
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[Publications] 佐々木 輝捷,佐々木 洋子(分担執筆): "「ニュ-ロサイエンス講座」第5巻4.9受容体・プロテインチロシンキナ-ゼ系によるホスホリパ-ゼCの活性化" 廣川書店,