1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02807031
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤田 道也 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60014031)
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Keywords | 神経伝達 / ド-パミン作動性神経系 / カルモヂュリン / シナプトソ-ム膜 / 協調的反強効果 / βアドレノセプタ- |
Research Abstract |
情動に関係すると思われるド-パミン作動性神経系でカルモヂュリンが制御機能を果たしていると思われる若干の報告がある。本研究ではラット大脳皮質および線条体から単離したシナプトソ-ム膜を用いて膜とカルモヂュリンの相互作用を検索することを目的として研究を行なった。 1.ラット大脳皮質および線条体から単離したEGTA洗浄シナプトソ-ム膜の解析を行なった結果、内在的カルモヂュリン量は3μg/mgタンパクであることが分かった。 2.同上膜標品を用いてアデニル酸サイクラ-ゼに対するGTPとカルモヂュリンの影響を調べた結果、GTPもカルモヂュリンもアデニル酸サイクラ-ゼを活性化するが、GTPがCa濃度によらず一様に活性化するのに対してカルモヂュリンはpCa6.2において最大の活性化を示した。 3.GTPー依存性アデニル酸サイクラ-ゼ活性に対するカルモヂュリンとド-パミンの同時添加の影響を調べた結果、ド-パミンとカルモヂュリンは協調的相互増強効果を示すことを明らかにした。 4.βアドレノセプタ-アゴニストであるイソプロテレノ-ルを用いるこにより、β受容体系のアデニル酸サイクラ-ゼもアゴニストとカルモヂュリンにより協調的活性化を受けることを明らかにした。この活性化は線条体よりも大脳皮質においてより著明であった。 5.フォルスコリンはアデニル酸サイクラ-ゼを直接活性化することが知られているが、カルモヂュリンの共存によって酵素のカルモヂュリンに対する親和性が増加することが分かった。
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Research Products
(1 results)