1990 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシン疾患の診断法の確立と治療へのアプロ-チ
Project/Area Number |
02807049
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Research Institution | 国立衛生試験所 |
Principal Investigator |
棚元 憲一 国立衛生試験所, 衛生微生物部, 室長 (60107430)
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Keywords | エンドトキシン / 内毒素 / 3ーヒドロキシミリスチン酸 / 微量定量法 / 螢光ラベル / リピドA |
Research Abstract |
エンドトキシンにより引き起こされる種々の疾患の診断及び治療には、信頼できるエンドトキシンの定量法が不可欠である。ここではエンドトキシンを化学的手法により定量する方法として、エンドトキシンの特異的かつ普遍的な構成成分である3ーヒドロキシ脂肪酸に着目してその微量定量法の確立を行った。まず化学合成3ーヒドロキシミリスチン酸を用いて、メチル化後その3位のOH基に蛍光物質の酸クロリド誘導体を縮合反応により導入し蛍光ラベルした。得られたラベル体はFABーMSにより分子量462であり、めざす化合物が合成された事を確認した。この化合物は検討した溶媒の中で、ジクロロメタン中で最も強い蛍光を発し、最大励起波長、最大発光波長はそれぞれ、252nm、460nmであった。この条件下で、脂肪酸量にして1ー2pgまで測定可能であった。この方法を用いてエンドトキシン(LPS)の定量法に発展させた。すなわち、LPSを5%HCl/MeOH中、100℃、3時間の処理で結合脂肪酸をメチル化体で遊離させ、ヘキサンで抽出した後に上記の方法で蛍光ラベルした。反応液は順相、逆相、及び分子量と原理の異なった3種のカラムを用いてHPLCで分離・精製して目的物に対応する分画の蛍光強度を測定することにより定量化を行った。この方法により、例えばサルモネラタイプのS型LPSでは、数十pgまで検出が可能であることがわかった。 以上の方法を利用しての血清中のエンドトキシンの定量化のステップとして、血清中の大部分の脂質を無極性溶媒で抽出して除いた後、凍結乾燥し、同様にHCl水解で遊離脂肪酸を得た。このメチル化脂肪酸を更に逆相カラムで精製して、メチル化ー3ーヒドロキシミリスチン酸分画を分取する系を確立した。
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[Publications] K.TANAMOTO: "Determination of Endotoxim by Fluoresconce habeling"
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[Publications] K.TANAMOTO: "Endotoxim" Plenum Publishing Corp, 11 (1990)