1992 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器疾患の環境原因物質の同定に関する研究ー特にフローサイトメトリーを用いて
Project/Area Number |
02807058
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 勝一 北海道大学, 大学院環境科学研究科, 助教授 (10213159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 義和 北海道大学, 医学部, 教授 (10001877)
齋藤 和雄 北海道大学, 医学部, 教授 (80000917)
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Keywords | サイトカイン / 活性酸素 / 単球 / 好中球 / フローサイトメトリー / ELISA |
Research Abstract |
呼吸器疾患における環境由来物質の同定を、(1)マクロファージによる原因物質の取込、(2)マクロファージのサイトカインの産生、(3)サイトカインによる活性酸素の産生の三点に焦点を絞って検討した。ヒト肺胞マクロファージを常時入手することが困難なため、単球を代用した。環境由来物質の代用として細菌菌体成分を用いた。結果:(1)好中球、単球とも90%以上の純度で採取できた。(2)単球は蛍光色素でラベルした菌体を濃度依存性に取り込んだ。(3)菌体刺激による単球のサイトカイン産生は濃度依存性であったが、(a)ピーク時間も、(b)産生量もサイトカインの種類により著明に異なっていた。(4)サイトカインによる好中球の活性酸素産生能もサイトカインの種類により著明に異なり、GM-CSFが最も強く産生し、次いで、G-CSF、TNF-α、IL-6、IL-2、IFN-βで明かな産生がみられた。IL-1α、IFN-α、IL-1βではほとんど産生がみられなかった。 まだ、産生された活性酸素と線維芽細胞の増殖との関係に関する研究が残っているが、(1)マクロファージによる原因物質の取込→(2)マクロファージのサイトカインの産生→(3)サイトカインによる活性酸素の産生の三点のin vitroにおける定量的測定法は確立された。 今後の課題としては、用いた正常単球あるいは好中球の代わりに白血病細胞を分化誘導し、サイトカイン産生能、活性酸素産生能の強い細胞株を樹立し、本実験系を更に普遍的なものとしたい。
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[Publications] Inoue,S.,Kawakami,Y.,et al: "Direct effects of OK-432 on human lung cancer cells in culture." Proc.Am.Assoc.Cancer Res.32. 253- (1991)