1992 Fiscal Year Annual Research Report
老人保健法における健康診査結果の活用に関する基礎的研究--異常所見がない受診者の健康管理システム開発-
Project/Area Number |
02807062
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中野 正孝 千葉大学, 看護学部, 助教授 (00114306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 敏樹 千葉大学, 看護学部, 助手 (00194796)
野尻 雅美 千葉大学, 看護学部, 教授 (70009520)
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Keywords | 健康づくり / 健康づくり支援システム / 老人保健法 / 健康診査 / 健康相談 / 食習慣 / 運動 / 休養 |
Research Abstract |
初年度からの調査研究成績、収集資料及び他システムの開発状況等を多角的に検討した結果、健康づくりに重要な栄養・運動・休養対策の内、近年ニードが急速に高まっているにもかかわらず、システム化が遅れているのが運動に関してであるとの結論を得た。そこで、本年度はこれまで開発してきたシステムの使用目的をより鮮明にし、運動指導を中心とする「健康づくり支援システム」として完成させた。 本支援システムはパソコンを用いており、検査データや問診を入力することにより、運動の可否の判定を自動的に行い、健康人用及び軽度異常者用の1週間分の運動プログラム(歩行、ジョギング、サイクリング等3通りを用意)を表示するものである。表示内容は、相談者の健康づくりに適切な運動負荷(最大酸素摂取量の40-60%)による実施方法である。なお、運動実施に当たっては、運動による弊害を最小限にとどめるために、脈搏を目安にしながらの歩行を特に推奨している。 次に、本支援システムを実際の保健指導に利用し、有用性や問題点等を検討するため調査を行った。静岡県賀茂村では、648人の受診者の内105人(16.2%)が、本システムによる相談を希望した。しかし、その内89人は要医師相談であることが本システムによっても明らかになった。また、同県西伊豆町(対象者996人)では、医師が運動した方がよいと判断した41人の受診者について、本システムとともにエルコメーターによる調査も実施した。その結果、本システムが提案する運動負荷では身体の不調が発生する可能性は少なく、ほぼ妥当であることが示唆された。 さらに、本システムの開発に全く関わっていない保健婦7人に実際に使ってもらい、本システムに対する意見・感想等を調査した。「画面が見にくい」等の改良すべき点もあったが、6人が「保健婦活動に利用できる」としており、本システムの有用性を確認することができた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 中野 正孝,野尻 雅美,桂 敏樹,工藤 紀子: "漁村住民の健康と生活に関する研究(3)-運動習慣及び生活活動強度について-" 千葉大学看護学紀要. 15. (1993)
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[Publications] 中野 正孝,野尻 雅美,桂 敏樹: "漁村における栄養・運動・休養調査について(2)-生活活動強度及び運動実施状況-" 日本看護研究学会雑誌. 15. 177- (1992)
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[Publications] 桂 敏樹,中野 正孝,野尻 雅美: "漁村における栄養・運動・休養調査について(3)-生活活動強度と運動-" 日本看護研究学会雑誌. 15. 177- (1992)
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[Publications] 中野 正孝,野尻 雅美,桂 敏樹,工藤 紀子: "漁村住民の栄養・運動・休養に関する研究(2)-健康診査受診者の生活活動強度及び運動強度について-" 日本公衆衛生雑誌. 39(10). 199- (1992)
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[Publications] 工藤 紀子,野尻 雅美,中野 正孝,桂 敏樹: "漁村住民の栄養・運動・休養に関する研究(3)-運動量と生活要因及び各種検査所見との関係-" 日本公衆衛生雑誌. 39(10). 200- (1992)
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[Publications] 中野 正孝,野尻 雅美,桂 敏樹: "静岡県西伊豆地区における栄養・運動・体養調査(2)-生活活動強度及び運動について-" 日本農村医学会雑志. 41(3). 638- (1992)
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[Publications] 中野 正孝: "系統看護学講座基礎8情報科学" 医学書院, 255 (1992)