1990 Fiscal Year Annual Research Report
βーカルボリン系化合物のアルコ-ル離脱症状への関与
Project/Area Number |
02807066
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
足立 順子 神戸大学, 医学部, 助手 (40030887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 猛章 神戸女子薬科大学, 薬学部, 教授 (00068339)
藤原 敏 神戸大学, 医学部, 助教授 (20173487)
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Keywords | βーカルボリン / アルコ-ル症 / アルコ-ル飲料 |
Research Abstract |
アルコ-ルの代謝産物アセトアルデヒドがトリプトファンと縮合してテトラヒドローβーカルボリンー3ーカルボン酸(以下THBCと略)を生成し、これがアルコ-ル依存形成に関与うるか否かの論議がある。一方、アセトアルデヒドとトリプタミンが縮合後酸化されて生成するβーカルボリン系化合物は、MAOの阻害作用をもち、振戦けいれん作用を有するのでアルコ-ルの離脱症状に関与するのではないかとの論議があるが未だ結論が得られていない。THBC及びβーカルボリンは分析法が確立されていないので、我々は今回まずこれらの化合物について抽出法及び定量方法を検討した。次にこれらが生体内で内因性に生成されるのか、あるいは外から(食物摂取)由来するのか調べるため、種々のアルコ-ル飲料中にこれらの化合物が含まれているかを分析した。 1)固相抽出法の確立 市販の化学結合型シリカゲル(Bond Elut^R)の充てん剤(無極性型、イオン交換系、陰イオン交換系)を検討したところ、陽イオン交換系のSCXが最適であった。 2)高速液体クロマトグラフ法の確立 カラムと移動相を検討したところ、ODS系25cmのもので、31%メタノ-ルが適当であった。又、蛍光検出器が感度が高かった。 3)高速液クロ質量分析法(LC/MS)の検討 難揮発性化合物でも容易にイオン化するサ-モスプレイ法により質量がわかった。 4)各種アルコ-ル飲料中にTHBC及びβーカルボリンは含まれていることがわかった。 5)生体試料尿中のTHBC及びβーカルボリンの分析方法の検討 尿中の夾雑物質は固相抽出法で除かれ、特異的にβーカルボリンは検出できた。
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Research Products
(1 results)