1990 Fiscal Year Annual Research Report
肝炎・肝硬変に於ける形態制御蛋白のコントロ-ル因子に関する研究
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02807071
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
森田 翼 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70131943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 貞夫 産業医科大学, 医学部(生化学), 助教授 (50131917)
東 監 産業医科大学, 医学部(生化学), 教授 (30028386)
平野 英保 産業医科大学, 医学部(生化学), 講師 (50040241)
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Keywords | 肝硬変 / ファイブロネクチン / Extra Cellular Matrix |
Research Abstract |
肝硬変は、B型及びC型ウィルス・非A非Bウィルスや、アルコ-ル、シンナ-、覚醒剤等の薬物等により惹起される事が知られている。肝硬変に於ける肝細胞の機能低下は、肝臓の線維化が進むにつれてひどくなる。更には、肝癌も発生してくる。 現在我々は、この線維化のメカニズム少しづつ明らかにして来た。肝臓の肝硬変化の機序は、肝臓が障害され、その修復過程で線維化が惹起される事によって起こる。 先ず、四塩化炭素肝硬変ラットを作製し、細胞のマトリックス、特に細胞外マトリックスの変化に視点を注ぎ研究を行って見た。このメカニズムを形態制御蛋白ファイブロネクチン発現に注目してみると、ファイブロネクチンは2度上昇することがわかってきた。1度目は、四塩化炭素による肝臓の炎症の時で(48時間後)、2度目は、線維化の時(10週後)である。この時期は、コラ-ゲンも同時に発現している。 プロトオンコジンcーmycは、正常では殆ど発現されていないが、四塩化炭素で肝硬変誘導を行うと、All or noneの発現がされて来る。細胞の増殖刺激がなされて来るのが分かる。同時に、Type Iコラ-ゲンやTypeIIIコラ-ゲンが出現して来る。また、基底膜に対する抗体で得られたクロ-ンNHー21(21個目のクロ-ン)が、48時間後に著明に増加した。このクロ-ンの塩基配列決定をすることにより分子種を決定できた。更に、DNA結合蛋白の発現に関しても検討を行っている。 また、クロ-ンNHー21は形態制御の観点から見てみた場合には、かなり操り易い遺伝子であることが少ないながらも他の臓器で報告されているので、我々は肝硬変形態の誘導の制御を行う研究に利用する計画を立てている。
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