1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02807105
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
安藤 興一 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 室長 (00159526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 幸子 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 主任研究官 (50161831)
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Keywords | 低酸素分画 / クロ-ン化細胞 / 血流遮断 / 新方法 / LーQモデル |
Research Abstract |
昨年度樹立したクロ-ン化腫瘍細胞をマウスに移植し、低酸素分画について検討した。第一に、C3Hマウス由来のR1137種瘍から得られた二つの株化細胞K1とK2を比較したところ、(1)非照射の腫瘍体積倍加時間は、K1と親株が3ないし3.5日と似ていたが、K2は2日と短かった。(2)ガンマ-線30Gy照射後の腫瘍体積倍加時間は、K2と親株では変化しなかったが、K1では2倍以上長くなった。(3)照射時に血流遮断した群と遮断しなかった群との比較から腫瘍低酸素分画の大きさを調べたところ、K2と親株は類似性を示し、明瞭な放射線低抗性分画が認められた。K1は親株より低酸素分画が多かった。第二にC57B1マウス由来の線維肉腫クロ-ン化細胞CFSaーSY90について調べた。腫瘍体積倍加時間は3.5日であった。低酸素分画は明瞭に認められた。 腫瘍低酸素分画を簡更かつ高感度に求める方法について検討した。通常の方法では血流遮断群と非遮断群との両者の腫瘍を照射して、その差から低酸素分画を求めている。今回私達が提唱する方法では、血流遮断群を必要としないので少ない動物数で済むこと、そして低酸素分画が大きくても敏感に検出できる点に特徴がある。必要な情報は通常用いられている腫瘍増埴遅延時間と体積倍加時間のみである。横軸に線量を線型(linear)にとる。縦軸は実験群と照射群の腫瘍体積5倍加時間の比を対数にとる。この片対数グラフ上で直線回帰を行ない、線量ゼロの縦軸切片から低酸素分画を計算で求めることができる。この方法を用いて、C3HマウスNFSa線維肉腫の低酸素分画を調べたところ、約60%の値を得た。この新方法はdouble exponentialモデルを用いているが、更に発展させることにより、低酸素細胞の生残率をLinearーQuadratic modelで解析することも可能となる。
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[Publications] 橋本 隆裕: "ラット脳の放射線壊死作成およびMRIによる評価" 日本磁気共鳴医学会雑誌. 11. 208-213 (1991)
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[Publications] Tatsuo Jibu: "Active components of intestinal bacteria for abdominal irradiation-induced inhibition of lung metastases." Clin.Exptl.Metastasis. 9. 529-549 (1991)
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[Publications] 安藤 興一: "放射線と抗癌剤の相互作用" 癌の臨床. 37. 1603-1607 (1991)
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[Publications] Koichi Ando: "Non-linear survival curves for solid tumor cells after large doses of fast neutrons and gamma rays." Radiation Research. (1992)