1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02807105
|
Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
安藤 興一 放射線医学総合研究所, 臨床研究所, 室長 (00159526)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 幸子 放射線医学総合研究所, 臨床研究所, 主任研究官 (50161831)
|
Keywords | 潅流制限性低酸素状態 / 拡散制限性低酸素状態 / 細胞内グルタチオン / 蛍光色素 / 再酸素化 / 低酸素培養 |
Research Abstract |
本年度は、マウス線維肉腫R1137における潅流制限性低酸素状態を調べるとともに、低酸素培養実験系を確立して細胞内グルタチオン量に関する研究を行なった。潅流制限性低酸素状態を調べる方法として、静注後に腫瘍血管に到達する蛍光色素を2種類用いた。即ち、ヘキスト33342を担癌マウス尾静脈投与後25分にDiOC_7(3)を投与し、更に5分後に腫瘍を摘出して凍結切片を作製、蛍光顕微鏡写真撮影で得られた写真上で血管領域を固定し、2種類の色素が共存する領域と共存しない領域の比を求めた。15mm直径の腫瘍では約30%の血管に色素のミスマッチが認められた。この値は文献上報告されたSCCVII腫瘍より3倍高いが、腫瘍の種類や大きさの違いを考慮する必要がある。更にこの大きさのR1137腫瘍は低酸素細胞が含まれているものの、肺コロニー法で調べた生存率曲線上で低酸素分画を形成しない点もSCCVIIと異なっている。次に担癌マウスをガンマー線全身照射し、4日後に蛍光色素投与したところ、5Gyと10Gyともにミスマッチは約17%に低下していた。再酸素化の経日変化を空気呼吸一腫瘍血流遮断の対合検定(腫瘍増殖遅延時間)で調べると、7mm直径のR1137腫瘍は照射後4日目に再酸素化していることが判った。再酸素化過程の腫瘍径依存性やミスマッチの経日変化について検討内容は残っているものの、潅流制限性低酸素状態の改良、即ちミスマッチの減少、が腫瘍放射線感受性に寄与していることが示唆された。第2に、ヒト由来骨肉腫細胞MG63を窒素ガスで低酸素状態下に培養した。低酸素培養1日目に細胞内グルタチオン含量は30%に低下し、2日目には更に低下していた。従がって、低酸素状態の長い拡散制限性低酸素状態では酸素以外にグルタチオンの低下も放射線感受性因子として考慮すべきと思われる。
|
-
[Publications] M.Mukai,K.Ando and S.Koike: "Effect of combined therapy, radiation and too local administration of OK-432, on a murine-fbrosarcoma(NFSa)" J.Jpn.Soc.Ther.Radiol.Oncol.4. 77-84 (1992)
-
[Publications] K.Ando, S.Koike and S.Sato: "Nonlinear survival curves for cells of solid tumors after doses of fast neutrons and γrays" Radiat.Res.131. 157-161 (1992)
-
[Publications] 安藤 興一、立崎 英夫: "放射線生物学からみた容積効果" 癌の臨床. 38. 1339-1343 (1992)
-
[Publications] Y.Ogiso, Y.Yamada, K.ando, H.Ichihashi and Y.Shibata: "Differential induction of prostaglandin E2-dependent and independent immmune suppressor cells by tumor-derived GM-CSF and M-CSF" J.Leukocyte Biology. 53. 86-92 (1993)
-
[Publications] T.Kobayashi, K.Kanda, Y.Ujeno, H.Fukuda, K.Ando, Y.Mishima, M.Ichihashi and J.Hiratsuka: "Progress in neutron capture therapy for cancer" Plenum Press, New York, (1992)
-
[Publications] H.Fukuda, K.Ando, C.Kanda, M.Ichihashi, Y.Mishima, J.Hiratsuka, T.Kobayashi and K.Kanda: "Progress in neutron capture therapy for cancer" Plenum Press, New York, (1992)