1990 Fiscal Year Annual Research Report
自己弁利用,弁なし補助心臓による補助循環の研究(幼小児に対する補助循環の試み)
Project/Area Number |
02807127
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大関 一 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (70213717)
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Keywords | 補助循環法 / 弁なし補助心臓 / 左心補助 / 小児補助循環 |
Research Abstract |
(方法)体重6Kg前後のブタ4頭を用い、冠動脈結紮法にて左心不全を作成し、以下の7項目、1)大動脈流量、2)大動脈圧、3)左室圧、4)左房圧、5)一回心拍出量、6)肺動脈圧、7)中心静脈圧について、弁なし補助心臓の左心補助効果を見た。あらかじめ人工弁を取り除いた補助心臓(ゼオン社製40ml)を、送脱血管となる一本の導管を介して左室心尖に装着し、駆動装置(東洋紡社製VCTー20)で駆動した。 (結果)中等度の心不全時には補助システムは良好に作動し、心不全時にひし弁なし補助心臓駆動により大動脈流量、一回心拍出量、大動脈圧は130%〜150%増加し、左房圧は15%〜40%減少した。しかし重症心不全時には大動脈流量、一回心拍出量、大動脈圧の増加は110%〜130%にとどまり、全身循環を維持するには不十分であった。また不整脈の多発した時には補助効果がさらに減じ、心室細動時には大動脈流量はほとんどなくなった。一方肺動脈圧、中心静脈圧は、弁なし補助心臓の駆動の有無による影響はほとんど見られなかった。 (問題点)重症左心不全時有効な補助ができなかったのは、弁なし補助心臓の駆出時、左室の過伸展がおこり、補助心臓から大動脈への駆出が減少してしまうことによる。左室過伸展を防ぐために、心外部にバンドをまく方法や、補助心臓に連動して心臓を外部からマッサ-ジするような方法を併用すべきと考えられる。
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